太もも・ふくらはぎ・すね Thigh / Calf / Shin

カラダを支え、立つ・歩く・走るなどの推進を司る部位。

「脚」は大腿骨・脛骨・腓骨で構成されており、太もも・ふくらはぎ・すねはスポーツ時に受傷することが多い部位です。
特に、重心軸のズレによる下半身のアライメントの崩れから、筋肉部分に負担がかかり、ケガにつながることが多いです。

Anatomy of Thigh Calf Shin - 太もも・ふくらはぎ・すねの機能と解剖

太もも・ふくらはぎ・すねの機能と解剖 太もも・ふくらはぎ・すねの機能と解剖

Sports Injury of Thigh Calf Shin - 太もも・ふくらはぎ・すねのスポーツ傷害

Q&A - 過去に寄せられたご質問への鉄人の回答

*現在はご質問は受け付けておりません。

太もも・ふくらはぎ・すねに関するQ&A

最近両脚の脛骨辺りが痛むんです・・・

はじめまして。私は高校3年生です。バスケ部を引退し、今は体育大学を受験しようと考えており、毎日マット運動と100m走とバスケの練習をしています。それで、最近両脚の脛骨辺りが痛むんです。高1の時も同じような痛みが続き、病院へ行ったら疲労骨折でした。毎年冬の時期になると痛くなり、困っています。今はまだ、たまにずきんとするぐらいの痛さなのですが、これから試験の日までの練習の中で、すねに負担がかかりまた痛くなるのではないかと不安です。
筋力をつけるためトレーニングをしてから本格的な実技の練習に入ったのですが、やっぱり痛くなってしまい、どうすればよいのか悩んでいます。一応お風呂に入って温めたり、ふくらはぎのストレッチをやったりしているのですが、他に疲労骨折を防ぐために出来ることはないでしょうか?
(18才、女性)

脛骨の疲労骨折と診断された場合、本当に骨に連続的な外力が加わることによってまさに金属疲労と同じようなメカニズムが原因の「骨への障害」が起きている場合があります。最近では、MRIなどの画像診断でそれがはっきりと分かるようになりました。しかし、直接的に骨が傷んでいるのではなく、骨膜や筋膜、場合によっては、筋肉が傷んでいる場合もあります。
どこが傷んでいたとしても、応急処置はアイシングが基本です。そして対処法もよほど特別でない限り、共通しています。しかし残念なことに、対処法の大原則である「休養」は、現実的なスポーツの現場では中々することができません。疲労骨折に代表されるようなオーバーユース症候群(使い過ぎによる障害)は、使い過ぎが原因ですから、少し休むか運動量を落とせば良いのですが…。


運動するグランドや床の硬さが、脛骨の疲労骨折やシンスプリントの原因になることもあります。冬になってシューズの底のゴムの硬さが変わってしまうことも同様です。夏の暑いときと、冬ではシューズの硬さが劇的に違っているかもしれませんね。特に寒いところでは、あり得るかも知れませんね。練習前にシューズの底を温めてみるって・・・どうでしょうか?

先に床の硬さやシューズの話をしてしまいましたが、足の裏の状態が大いに関係していると思います。疲れが溜まって足の裏が張っていると、衝撃の吸収ができず脛にガンガンと響いてしまいます。足の裏については、練習後の疲労を残さないようにマッサージローラー(100円ショップなどでも売っています)を使ってマッサージしてみてはいかがでしょうか?

テーピングの本などでは、シンスプリントのテーピング方法が紹介されていますが、ほぼ同じ巻き方が効果的なのではないかと思います。プロ野球の選手には、サランラップのような素材でできたダイエットラップを脛に巻いて楽になったと言う方々もいらっしゃったようです。今後、その対処法が雑誌や本でも紹介されるのではないかと思います。

これまで通りのお風呂で温めたり、ふくらはぎのストレッチをしたりすることに加えて以上のようなケアをしてみて下さい。アイシングは、寒くても運動直後の痛みが強い時には行って下さいね。耐え難い痛みがある時には、必ず病院にて受診して下さいね。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

1ケ月ぐらい前から右腰の後ろ側と右足の太股が痛くなってしまいました・・・

ジョギングを週3回ぐらいしています。年に4~5回ハーフのマラソンに参加、1時間45分程度の記録です。
1ケ月ぐらい前から右腰の後ろ側と右足の太股が痛くなり、ゆっくり走らないと痛くて走れません。
また、ゆっくり走っても2~3km程度で痛くなってしまいます。2週間前のハーフは10kmぐらいで棄権しました。病院へ行ったほうが良いでしょうか?腰の痛みはすこし良くなっています。以上 よろしく御願いします。
(60才、男性)

まずは病院に行くことをお勧めします。お近くにスポーツドクターがいる整形外科はありますでしょうか。もしわからないようでしたら「日本体育協会」のホームページでスポーツドクターを検索するコーナーがあります。整形外科のドクターを検索してみてください。
また、ジョギングの後や日常的にストレッチングを行う習慣はありますか?それほど疲れていないと思っていても、疲労が蓄積して、筋肉の柔軟性が低下し、関節や腱などに負担がかかってしまう場合があります。特に走った後は入念にストレッチングを行うようにしてみてください。


痛みのある右腰、臀部だけでなく、脚の裏、ふくらはぎ、胸のストレッチングなども合わせて行うことにより、一番柔らかくしたい場所が伸びやすくなります。全身をゆっくりリラックスして行うことをお勧めします。

シューズはどのようなものをお使いですか?ご存知かと思いますが、体力レベル、体重などによってシューズの種類を変える必要があります。専門店のスタッフに相談してみてください。また、長い期間使用したシューズは、衝撃吸収能力が下がってしまいます。チェックしてみてください。

まずは、病院で診てもらってください。その際、いつ頃までにどのようなことをしたら良いかをしっかり相談してください。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

バトミントン中にふくらはぎに肉ばなれを起こしました・・・

先日、バトミントン中にふくらはぎに肉ばなれを起こしました。夜間だったのですが救急で整形の医師に診てもらえました。 次の日の午前中は痛くて立てませんでしたが今は何とか歩行できています。
今はふくらはぎに青いアザとがあります。その周りは薄いですが赤っぽいアザ?もあります。まだつま先を上に上げると痛みもあります。安静にと言われてシップをもらい包帯で固定しています。冷やすのは2・3日と聞きましたが今は暖めた方がいいのでしょうか?近くの整形の先生にかかった方がいいのでしょうか?いつ頃スポーツを再開していいのかが分かりません。
(30才、女性)

肉離れとのこと。その後、痛みなどいかがでしょうか?患部の下にアザができたのは、肉離れによる出血の後と考えられます。これは時間が経てば消えてゆきます。


肉離れについては、当サイトの中(「鉄人」ホームページ内の「肉ばなれ」)に詳しい説明があります。メディカル編、トレーナー編の両方をご覧ください。
ポイントは時間をかけてしっかり治すことです。焦って早くから競技に復帰してしまい、再発させてしまう方が多いようです。再発させてしまうと、更にその部位の肉離れを起こしやすくなります。注意してください。
サイトの説明にもあるように約6週間でスポーツへの復帰とありますが、受傷の程度により期間は変わります。受診した整形外科の医師に相談してみてください。
暖めるか、冷やすかということですが、腫れがあり、熱を持っているようでしたら冷やすようにしましょう。受傷による炎症が治まったところで、暖めても良いと思いますが、心配な場合には特に暖める必要はないと思います。市販の湿布薬で消炎鎮痛剤入りのものを貼っておくのが良いと思います。
焦らずに治すことができたら、再発予防のためにストレッチングを良く行うようにしてください。特にふくらはぎの肉離れとのことです。おそらく、太ももの筋肉などの疲労により、そこに負担がかかったと思われます。できるだけ、患部に負担がかからないように、他の部分の筋力向上、疲労回復にも気を使ってみてください。また、患部の保護、安定にはサポーター(ザムスト「TS-1」)も有効です。スポーツ店で是非一度試してみてください。
繰り返しになりますが、焦らずにじっくり治しましょう!
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

右足のふくらはぎの肉離れを起こしてしまいました・・・

はじめまして。ふくらはぎの肉離れについて質問させてください。5月にサッカーの練習中に、急にダッシュをしたときに、右足のふくらはぎの肉離れを起こしてしまいました。その後、治りかけてきた6月に、サッカーの練習中に急な動き出しをしたときに、同じ場所の肉離れを起こしてしまいました。また再度、治りかけてきた7月に、サッカーの試合中に急な動き出しをしたときに、同じ場所の肉離れを起こしてしまいました。
5月、6月の肉離れは痛いものの歩くことはできるレベルで、特に病院には行きませんでしたが、7月の肉離れは歩くことがかなり厳しいレベルでした。それでも、最初は特に何もしなかったのですが、1週間後に肉離れを起こした場所にしこりのようなものを感じ、整形外科に週1のペースで3週間ほど通い、赤外線と電気の治療を受けました。しかし、あまり症状が変わらないため、別の整形外科に週3のペースで3週間ほど通い、保温と電気、マッサージの治療を受けました。それでも、あまり症状が変わらなかったため、別の接骨院に週3のペースで10月まで約2ヶ月近く通い、アイシングと電気、ローラーによるマッサージを受けました。今はしこりのほうもだいぶ小さくなってきたのですが、ジョギング(2~3km)を行うと、しこりの部分に違和感があります。
最近、今後の対処法はどうすればいいのか悩んでいます。7月に肉離れを起こしてから時間が経つのですが、2つの整形外科では温めることを薦められましたが、もう一方の接骨院では、冷やすことを薦められました。どちらの治療法をとったほうが早く治るのでしょうか。また、なぜ、保温と冷却という対称的な治療法を薦められるのでしょうか。
お手数をおかけしますが、アドバイスをお願い致します。
(30才、男性)

詳細な経過をありがとうございます。肉離れは、完治するのに長期期間かかりますね。


Q:最近、今後の対処法はどうすればいいのか悩んでいます。
A:トレーニングはされていますか?特にストレッチングは重要です。ふくらはぎ(下腿三頭筋)は、腓腹筋とひらめ筋それぞれのストレッチングが必要です。一般的なアキレス腱ストレッチングを、膝を伸ばして行うと腓腹筋、曲げて行うとひらめ筋になります。その他の方法は、「鉄人」ホームページの「肉ばなれ」(トレーナー編)をご覧下さい。

Q:保温・冷却どちらの治療法をとったほうが早く治るのでしょうか。
A:どちらがよいということはありません。繰り返しになりますが、治療とトレーニングを両方行うことが大切です。

Q:なぜ、保温と冷却という対称的な治療法を薦められるのでしょうか。
A:どちらも血液循環を促進するはたらきがあるので効果は同じなんです。冷却は一度血管を収縮させておいてリバウンドで拡張させます。よって、冷やし過ぎないことがポイントです。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

足(特にふくらはぎ)を「つる」事が多くあります・・・

運動をすると、足(特にふくらはぎ)を「つる」事が多くあります。特に走っている時に多いです。何か予防・対策などアドバイスがありましたらお願いします。
(27才、男性)

「つる」原因としては、ストレッチングの不足・水分不足・循環不全(冷えやテーピングなどによる圧迫)などが考えられます。


予防は

・ストレッチングの実施
行っている場合でも「つる」場合は、ストレッチが不足しているということなので、十分に行ってください。ふくらはぎは、いわゆるアキレス腱のストレッチングを行います。膝を伸ばした方法と曲げた方法の2種類行います。「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(メディカル編)に、膝を伸ばした方法があります。参考にしてください。

・水分不足
運動中だけではなく、運動前にも水分補給を忘れないようにします。発汗が多いときは、電解質を補えるスポーツドリンクが効果的です。

・循環不全
ふくらはぎを冷やさないように長ズボンをはく、汗をかいた場合は速やかに着替えます。

対策は

・「つった」部位のストレッチングを行います。運動は中止したほうがいいです(そのためにも予防が大切です)。

(スポーツの鉄人;高橋 仁)

運動量急増によるシンスプリント

冬期トレーニングが始まってから、だんだん脛〈すね〉が痛くなってきました。周りにも同じところを痛がっている選手がいて、一番ひどい選手は病院でシンスプリントだといわれたそうです。シンスプリントは新人病で5月に多いと聞いたことがあるのですが、冬にも起こるものなのでしょうか。

運動量の急増によるシンスプリント(過労によって生じる、向こう脛の痛みの総称)である可能性が高いでしょう。


これらの選手の場合、上記の質問以外に以下のような特徴があるのではないでしょうか。

1、秋のシーズンが終わり、本格的な冬期トレーニングを開始して2ヵ月目。
2、練習量、練習時間がシーズン中よりかなり増えた。坂道でのダッシュも行っている。
3、日没が早くて寒いので、練習後あまりクールダウンをしないですぐに帰ってしまう。
4、したがって、ストレッチングもあまりしていない。
5、アイシングは試したが、効かなかったのでもうしていない。

シンスプリントは陸上競技選手によくみられるスポーツ障害です。新人選手が入学してしばらくしてからよく起こすので、陸上競技の五月病ともいわれています。今回のケースも時期は異なりますが、基本的な原因は「練習量の急激な増加」だと考えられます。
また、アスファルトの上での坂道ダッシュなどは、シーズン中にはほとんどやっていなかったようです。気候の変化もあって新陳代謝も違っているわけですから、「練習環境の変化」も要因として加わってきます。
対策としては、監督やキャプテンと相談の上、身体を順応させるためにも、練習量において身体にかかる負荷を徐々に増やしていくような工夫が必要です。チームで同じメニューを行っている場合には難しいかもしれませんが、本当に耐えられない痛みのシンスプリント、あるいは疲労骨折になってしまってからでは遅すぎます。
また、暗くて寒いからといって、クールダウンをないがしろにするのは感心しません。ストレッチングは、帰宅してからでもやったほうが、やらないよりはずっとよいはずです。


シンスプリントになりやすい人の特徴

同じ練習で、特定の人たちだけがなるケースもあります。その場合、(1)形態的な特徴(アライメント)、(2)動きの特徴(バイオメカニクス)、(3)使用器具やシューズの特徴、などが原因として考えられます。トレーナーとしては、それらの特徴を分析して細かな対策を練る必要があります。

形態的な特徴としては、脛の曲がり具合や土踏まずの高さなどが挙げられます。脛(脛骨〈けいこつ〉)は、下方3分の1くらいのところで若干カーブしていますが、この曲がり具合が、人によってかなり違います。もちろん脛骨そのものの長さや、太さの違いなどもチェックします。土踏まずの特徴は、次の動きの特徴とも複雑に絡んでくるのですが、やっぱり落ちている人のほうが、よりシンスプリントの症状に悩まされています。

次に動きの特徴ですが、着地直後に脛骨が内旋する人がシンスプリントを起こしやすい傾向があります。これは土踏まずが落ちている人、足関節が柔らかすぎる人、X(エックス)脚の人などにその傾向がみられ、わずかに膝が内側に入っている人もシンスプリントになっている例があるようです。こうした傾向をもつ人は、動きのなかで脛骨が内旋を起こす際に、ある1点にだけ強い負担がかかり、金属疲労と同じようなメカニズムで骨を痛めてしまうのです。

シューズがシンスプリントの原因に、逆に予防のキーになることもあります。特に裸足で歩くことが少なくなった今、幼少の頃からクッション性の高い靴を履き、その衝撃吸収力に自分の体重をすべてゆだねる習慣がついている選手も少なくありません。また、足趾〈そくし〉を使わずベタベタと歩いていて土踏まずが落ちてくると、中敷きでサポートしないと、疲れやすくシンスプリントになりやすいケースも出てきます。

シンスプリントの予防対策

さて、さまざまな特徴を述べてきましたが、対策としては、姿勢の矯正、動き(フォーム)の改善、そして使用するシューズを自分のニーズに合わせること、以上のことを心がければよいわけです。

立っているときには、お尻の筋肉にやや力を入れるような感じで膝を少し外に向け、土踏まずの真ん中の部分をもち上げてアーチをつくるようにイメージしてください。そうすると、脚全体がきれいでまっすぐなラインに見えてくるはずです(アライメントのチェック)。

歩いているときや走っているときには、接地している間に足首が入りすぎて回内していないかをチェックします。人によっては1本のライン上を走るよりは、左右の足が別々のライン上を走るようにしないと足首が入りすぎる人もいます。個人個人で、それらのラインがどれくらい離れるべきかを研究してみてください(動作のチェック)。

さらに、最初に述べた練習環境のチェックと、身体の順応のスピードと個人の特異性に合わせた練習メニューを組むようにすると、シンスプリントの痛みからかなり解放されるのではないでしょうか。

正しいウォームアップとクールダウン、ストレッチング、そしてアイシングには即効性はありません。しかし、シンスプリントは、捻挫や骨折のように瞬間的に受傷するケガではなく、時間をかけて徐々に発症するので、治療やコンディショニングも根気よく続けてほしいものです。それでも、どうしても駄目なときには、骨シンチグラフィーという装置をもっているスポーツ整形医を受診してください。

肉離れのあとの違和感

昨年、サッカーの試合中に肉離れを経験して、2~3度病院に通ったものの、あと少しのところで通院をやめてしまいました。完治したと思っていたのですが、先日軽くジャンプしたときに、再び違和感を覚えました。肉離れを甘くみて治療を途中でやめたことが原因なのでしょうか? 肉離れをクセにしたくないので完治させたいのですが、今の状態からどうすればよいのでしょうか? ちなみにウォームアップをして身体が温まると違和感はなくなります。

肉離れを起こすのは、人より身体が硬かったり、肉離れを起こした筋肉が特別硬かったりというように、柔軟性になんらかの問題を有しているためです。


肉離れを起こすと組織内部の出血がみられます。
出血した組織は硬い瘢痕組織へと変化し、瘢痕組織は適度な張力が加わって動かされることによって、徐々に元の状態に近い柔軟性の備わった組織へと変わっていきます。ここまで最低6ヵ月くらいかかると思ってください。

しかし、6ヵ月間ただ安静にしているだけでは、筋肉は受傷前の状態には戻れません。肉離れでは安静期間は必要ですが、肉離れの個所によい影響を与えるためには、同時にやるべきことがあります。それは筋肉の柔軟性獲得です。

スポーツ選手の場合、適切な安静期間(3~4週間)と治療を行い、痛み(局所の圧痛)が治まったら、再発予防を目的とした“肉体改造”に着手していきます。つまり、ケガをした部分及びその周辺の関節の可動域獲得や筋肉の柔軟性獲得維持のためのストレッチング、軽い筋力トレーニングなどを常に行いましょう。筋トレのウェイトは絶好時の半分で十分です。負荷がかかりすぎないように気をつけてください。

痛みや違和感がまったくなくなったら、受傷原因のスポーツ動作(練習)を徐々に再開します。練習再開後の注意点としては、違和感を覚えたらすぐに活動を中止し、圧痛の有無や運動時痛の個所をチェックすることです。

質問ではウォームアップをして身体が温まると違和感がなくなるとありましたが、しごく当然のことです。ウォームアップによって、筋肉や関節が柔軟性を帯びてきて肉離れ周辺の負担が軽くなるからです。また、筋肉がストレッチされることにより、血行もよくなるからでしょう。

練習後は障害部位に熱感が生じるでしょうから、局所のアイシング(約15分)を徹底して行ってください。

肉離れは、骨折と違ってギプスを巻かないので、つい簡単に考えがちですが、スポーツ選手にとって重傷度の高い障害です。再発しないよう、適切なリハビリテーションと肉体改造を行ってからスポーツを再開しましょう。

肉離れはクセになる!?

肉離れを起こしてしまいました。肉離れはクセになるというのは本当ですか。クセにならない方法は?

肉離れは、ふくらはぎ(下腿中央やや内側)、大腿ハムストリング、大腿四頭筋、上腕二頭筋によく起こり、陸上競技短距離、サッカー、テニス(tennis legという言葉もある)、アメリカンフットボールなどの競技でよくみられます。最近の例では、元横綱若乃花の引退の原因となったハムストリングの肉離れがあります。


肉離れの一番の特徴は、再発が多いことです。再発が多いことが「肉離れはクセになる」といわれるゆえんです。

28歳女性テニス選手の例では、前方のボールを取りにダッシュしたときに、ふくらはぎ(腓腹筋内側頭)に肉離れを起こしました。治療はRICE療法(応急処置の安静・冷却・圧迫・高挙の処置)を中心に行い、足関節の過伸展を制限して、日常生活は自由にしていました。3週間で局所の圧痛が消失したので軽いランニングを開始しましたが、4週で禁止されていたテニスを自己の判断で再開し、さらに重度の肉離れを起こしてしまいました。そのため、さらに6週間もプレーの中断を余儀なくされてしまいました。

肉離れとよく似た傷害にアキレス腱断裂がありますが、筋肉の断裂である肉離れは、筋肉それ自体の血行がよいため、アキレス腱断裂に比べて局所の回復ははるかによいという特徴があります。
しかし、軟部組織の損傷を甘くみてはいけません。日常生活とスポーツとでは筋肉の使い方や負担がまったく違うので、日常生活で支障がなくなったからといってスポーツを再開してしまうと、再び肉離れを起こしてしまいます。

肉離れをクセにしないためには、肉離れを起こしたときに十分な対応をすることです。まず受傷時は、足関節軽度底屈位でテーピングして、肉離れがさらに離開しないようにします。受傷直後は歩行にも支障がありますが、1週間ほどで局所の疼痛が軽減してきて、歩行が可能になります。歩行できるようになったら、足関節背屈のストレッチを軽く開始します。

圧痛(押すと痛みがある)が消失する3週間目くらいから、徐々に軽いランニングを始めます。そのころはまだ肉離れを起こした箇所に硬結(しこり)が残っていますが、硬結があるうちにハードな練習をすると再発してしまうので、例えば、ランニング中にハーフスピードダッシュを組み合わせるなどして、受傷後6週間は全力のジャンプやダッシュを休止します。

足関節の背屈ストレッチや抵抗運動で疼痛や違和感がまったくなくなったら、受傷原因のスポーツ動作を徐々に再開します。スポーツ再開後も、筋肉に“ピキッ”ときたら、直ちにプレーを中止するようにします(急がば回れ!)。硬結部周囲の電気刺激、はり刺激も有効です。