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Shoulder

 

クセになった肩の脱臼を治す方法 以前、試合中に転倒して肩が脱臼し、以来肩の脱臼がクセになってしまいました。痛みも少しあり、いつ脱臼するかといつも不安です。ケアの仕方、肩の強化の方法を教えてください。

まず、質問の答えに入る前に、肩関節の基礎知識と肩関節の脱臼について確認しておきます。


肩関節の基礎知識 肩関節は、□肩甲上腕関節、□肩鎖関節、□胸鎖関節、□肩甲胸郭関節などから構成されています。一般に、いわゆる肩関節と呼ばれているのは、肩甲骨と上腕骨で構成されている「肩甲上腕関節」です。そこで、「肩関節=肩甲上腕関節」としてお答えします。
 肩関節は、解剖学的特徴から、いろいろな方向によく動きます。逆に、安定性のない関節、ということもできます。そんな不安定な関節を頑張って安定させているのが、「ローテーターカフ」(回旋筋腱板)と呼ばれている筋肉群です。
 ローテーターカフは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋から構成され(図)、これらの筋は、上腕骨を肩甲骨の関節面へ引きつけるように、肩甲骨から上腕骨の近位(骨頭)へ走行しています。


反復性脱臼 外傷によって起こった脱臼のあとに、脱臼がクセになってしまったものを、反復性脱臼といいます。反復性脱臼では、肩関節に外転外旋位が強制されると、しばしば上腕骨が肩甲骨のソケットから外れてしまいます(外転とは、腕が身体から外側に離れる動きです。外旋とは腕を外側にひねる動きで、肘の内側が外側を向きます)。


強化方法 肩関節の安定性を改善するために筋力トレーニングを行う必要があります。筋力トレーニングは、まずローテーターカフを個別にトレーニングしてから、上腕二頭筋、三角筋、大胸筋、広背筋などの大筋群の筋力を向上させていきます。そして最後に、両方の筋協調性を高めていきます。

第1段階:
ローテーターカフ・エクササイズ
 ローテーターカフを選択的にトレーニングするには、大筋群をなるべく収縮させずに行うことがポイントです。そのために、負荷の軽いチューブやダンベル(1~3kg)を用います。回数は20~30回×3~4セット、毎日行います。また、水中で内旋、外旋を繰り返す方法も効果があります。
 エクササイズは、棘上筋が外転、棘下筋・小円筋が外旋、肩甲下筋が内旋、となります。
第2段階:
大筋群のトレーニング
 肩関節周囲の筋肉は、肩関節を安定させるために常に緊張しています。練習やトレーニング後には、関節全体をアイシングをし、その後ストレッチングをするなどして、筋の過緊張を和らげるとよいでしょう。
第3段階:
筋協調性のトレーニング
 肩関節を安定させるために、関節周囲の筋肉を同時に収縮させるトレーニングを行います。簡単にいうと「腕で踏ん張る」動作を行って、身体を安定させるトレーニングです。
 腕立て伏せをモデルに考えると、まず、膝をついた状態で、スタートの姿勢(肘を伸展した状態)を維持する。膝をつけずに行う。足を高くして行う。バランスボールに足を乗せて行う、というように、段階的にトレーニングを展開していくことがポイントです。

ケアの仕方 肩関節の安定性を改善するために筋力トレーニングを行う必要があります。筋力トレーニングは、まずローテーターカフを個別にトレーニングしてから、上腕二頭筋、三角筋、大胸筋、広背筋などの大筋群の筋力を向上させていきます。そして最後に、両方の筋協調性を高めていきます。

 

ローテーターカフ・エクササイズ肩がときどき外れる選手がいるので、3月号の肩の反復性脱臼の内容を参考にして、肩関節の安定性を改善する筋力トレーニングを行わせたいのですが、ローテーターカフ・エクササイズのやり方がよくわかりません。詳しく教えてください。

ローテーターカフは、肩関節の奥にある小さな筋肉の集まり(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を総称したものです。肩関節は不安定な構造をしていますが、これをローテーターカフが支えているのです(前号参照)。日ごろから肩関節に不安定感があり、ときどき肩を脱臼しているような人は、ローテーターカフを鍛える必要があります。

エクササイズには、軽い負荷のチューブ(市販の“セラバンド”では黄色のチューブ)を用います。回数は20~30回を3~4セット、毎日行います。
エクササイズを行う際の注意点としては、

  • チューブの反動を使わない
  • チューブをたるませない
  • 1回の往復に約1秒かける

ことが挙げられます。
それでは、それぞれの筋のエクササイズを説明します。


棘上筋のエクササイズ 肘関節を固定したまま、斜め前方へ胸の高さまでチューブを引っ張っていきます。できるだけ力を抜いた状態で行い、三角筋を収縮させないようにするのがポイントです。


棘下筋のエクササイズ 肘関節を90度に屈曲し、脇にタオルを挟んだ状態で固定します。そこから肘関節の角度を保ったまま、上腕骨を軸として肩関節を外旋していきます。最後まで外旋すると関節に負担がかかるので、10~20度外旋まで、とします。


肩甲下筋のエクササイズ 肘関節を90度に屈曲し、脇にタオルを挟んだ状態で固定します。このとき、肩の位置は、外旋10~20度とします。そこから肘関節を固定したまま、上腕骨を軸として、肩関節を内旋してきます。大胸筋の収縮を、なるべく使わずに実施することがポイントです。

 

肩の痛みと肩甲骨の動きとの関係水泳でよく肩を痛める選手がいます。ローテーターカフのトレーニングは続けて行っているのですが、ほかに予防する方法はありますか?

前肩の動きは、上腕骨と肩甲骨で構成されている上腕肩甲関節(いわゆる肩関節)だけで行っているわけではありません。肩甲骨がさまざまな動きをすることによって、スムーズな肩関節の動きが生まれるのです。


肩関節の動き 例えば、上肢が外転(体側につけた状態から真横を通って上に動かす)した場合を考えてみましょう。上肢が90度外転したときは、肩甲骨が30度上方回旋(肩甲骨の上部が内側に絞られ、下部が外側に開く動き)し、肩関節が60度外転します。さらに、上肢が180度まで外転した場合は、肩甲骨が60度上方回旋して、肩関節が120度外転することによって、上肢が180度外転するのです。

このように上肢が外転するときは、約2/3は肩関節が、残りの約1/3は肩甲骨が動くことによって、スムーズな上肢の動きが遂行されるのです。


肩甲骨が正常に動いていないと肩に痛みが出てくる そうしたことから、肩甲骨の動きが悪くなった場合には、肩関節は動かなくなるのではなく、そのほかの筋肉で代償して動かしてしまいます。本来の肩の動きとは違うため、代償している筋肉には大きな負担がかかってしまい、肩関節の周辺になんらかの問題が発生してきます。そこで、肩のケガを防ぐためには、今までのケアも大切ですが、肩甲骨が正常に動いているかどうかについても、チェックしてみてください。
水泳の選手には、肩が前に出て肩甲骨が外転(外側に開く)して背中が丸まっている選手が多いようです。そのような傾向の強い選手は、肩甲骨の周囲の筋をうまく動かすことができなくて、硬くなっています。そうなるともちろん上肢の上方への動きがしにくくなります。これらを解決するには、ストレッチングをすることと、肩甲骨周りの筋肉をよく動かすことです。


ストレッチングをしよう ストレッチングについてはまず、胸部の筋肉をよくストレッチしましょう。そうすることによって肩甲骨が内転(左右の肩甲骨が近づく動き)しやすくなります。上肢の角度をさまざまな角度(上肢が体幹に近い状態、水平に開いた状態、水平より少し外転した状態など)にして、胸を開くようなストレッチングを行います。胸だけでなく背中、肩、首、体側なども、一方向だけでなくさまざまな方向に伸ばすよう、多めにストレッチングをしてみてください。


肩甲骨をよく動かそう 次に、まず肩甲骨を動かすことができるかどうかを確認しましょう。水泳選手だと水着姿なので、肩甲骨の動きを直接見ることができると思います。外転、内転、挙上(肩甲骨が上がる)、下降(肩甲骨が下がる)、上方回旋、下方回旋(上部が外側に開いて、下部が内側に絞られる)を、自由自在に行うことができるかどうか、そして左右の肩甲骨が同じように動いているかどうか、などをチェックします。
もし、動かしづらいところがあれば、その方向の動きをしっかりと意識して、確認しながらよく動かします。日常生活のなかでもその方向に動かす運動を行って、なるべく多くの刺激を筋肉に与えるようにします。負荷をかけなくても常に動かすことが大切です。
トレーニングの量や技術的な問題なども肩を痛める原因なので、この点についても、再度確認をしてみてください。

 

酷使した肩のアフターケアママさんバレーでエースアタッカーをしています。今は、よくなっているのですが、ときどき肩が重くなったり痛くなったりします。痛くないときもアイシングをしたほうがよいのでしょうか。また、肩のストレッチングも教えてください。

酷使した肩は、痛みの有無にかかわらずアフターケアをしてください。練習直後にストレッチングをするのが理想的ですが、ママさんバレーの練習ではなかなか時間がとれませんね。お風呂上がりでもテレビを見ながらでも、その日のうちであれば、やらないよりは絶対に肩にはよいはずです。
アイシングも可能であれば行ってください。アイシングをしながら帰宅されてもよいのではないかと思いますが、練習会場で用意できない場合は、帰宅されてからでも十分です。
これは、ママさんバレーに限らず、投球動作のあるすべての種目に共通です。パパさん野球でピッチャーを務めるお父さんも、しっかりアフターケアをしてくださいね。
ここでストレッチングの例をいくつかご紹介しますが、写真1~3までは一般的な肩のストレッチング、写真4以降は、スパイクや投球動作で酷使されるローテーターカフと呼ばれる筋肉のストレッチングです。


肩のストレッチングの具体例

肘・手首・指Elbow / Wrist / Finger

 

中学2年の娘が、バスケットボールの試合で右手親指の第一関節付近にひびが入るケガをしました・・・ 中学2年の娘が、今月中旬にバスケットボールの試合で右手親指の第一関節付近にひびが入るケガをしました。来月下旬にある大会に向けて練習をしたいと言っています。そこで、次のことをお尋ねします。
(1)来月下旬までにバスケットができる状態になるのでしょうか。
(2)もし、(1)が厳しい場合、テーピングなどの処置で試合に出ることは可能でしょうか。
ご意見よろしくお願いします。
(43才、男性)

娘さんが親指を骨折とのこと。基本的には医師の指示に従って、復帰の時期を決めていただきたいと思います。中学生ですので、将来もあります。ここで無理をして、悪化させることよりも、しっかり治して、良い状態にしてあげることを最優先させてみてはいかがでしょうか。

症状や部位によって違いますが、通常2~4週間の固定期間が必要とされていますので、もし2週間で骨がついている状態であれば、リハビリをして間に合うと思いますが、ここもしっかり医師に確認を取ってください。

幸い、指ですので脚のトレーニングや反対の腕、手は使えると思いますので、患部以外のトレーニングをしっかりと行うようにしておきましょう。競技復帰後は再発予防のためにもテーピングを利用してみましょう。

私も学生時代に手術が必要なケガを2回もしました。そのときにケガをして良かったと思ったことは・・・いつも中にいてプレーしていたのを外から冷静にみることができ、プレーの幅、判断力の幅が広がりました。また、ケガに関する興味が高まり、予防、対応ができるようになりました。

いつも使わない部分がトレーニングできる期間でもあります。娘さんにそんなお話もしてあげてください。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

中学生の子どもがボクサー骨折と診断されました・・・ 中学生の子どもがボクサー骨折と診断されました。が、バドミントンの試合前のため、練習も普通にがんばりたいというのですが、大丈夫でしょうか?負傷部位は小指です。テーピングをして練習すれば大丈夫と本人は言うのですが、練習しながら治すということはできますか。また、そのために気をつけること、テーピングの他になにかできることなどはありますか?
(45才、女性)

ボクサー骨折は変形をおこしやすい骨折です。ラケットを握る手であれば無理をしないほうがよいと思います。反対の手であればラケットを持つことが可能ですが、どちらも担当の医師と相談してください。

許可が出た場合は、固定をしっかりおこない、転倒に気をつけます。テーピングのみの固定ではなく、日常の添え木による固定をテープで強固にします。また、転倒(床の汗によるスリップや他のプレーヤーとの接触)は患部の手をついてしまう可能性があるので要注意です。
繰り返しになりますが、担当の医師に必ず相談してください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

上腕骨骨端線離開になってしまいました・・・ 野球をしています。昨年、上腕骨骨端線離開になり、治るのに7ヶ月かかりました。今回また同じ上腕骨骨端線離開になってしまいました。局所の安静と病院では言われましたが、周囲から整骨院で治ると言われましたがどう思いますか?
(12才、男性)

さて、上腕骨骨端線離開と診断されたとのこと。これは成長期に投球動作の繰り返しにより、成長しようとしている骨に過度の負担がかかったために起こるもので、リトルリーグ肩とも呼ばれています。投球動作の繰り返しが原因の別名「使いすぎ症候群」という部類に入ります。

使いすぎが原因ですので、一番良い治療方法は患部を休めることです。特に今回のケースでは一度同じケガをしていますので、慎重に、そして確実に治すことをお勧めします。まずは医師の指示通り、しっかり安静にしてみてください。休むことはとても苦しいことですが、前回同様に長く時間をかけないためにも思い切った休養をお勧めします。

肩は動かすことができませんが、下半身のトレーニング、体幹のトレーニングは行うことができると思います。ランニングや自転車などの持久力を向上させるトレーニングも可能です。これを機会に、投球動作以外で苦手な部分のトレーニングに集中してみてはいかがでしょうか。

また治療が終わり、また投球ができるようになったら、再発予防のためのストレッチングなどを人より多く行うようにしてください。肩の周りの柔軟性が低下すると、負担が大きくなります。日々のトレーニングの疲労を翌日に残さないように心がけましょう。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

テニス肘は手首からテニスのインストラクターです。テニス肘の対処法とテニス障害の最近の傾向をジュニアとシニアに分けて教えてください。

テニス肘(Tennis elbow)は別名、上腕骨外(内)上顆炎〈じょうかえん〉といい、前腕伸筋(屈筋)筋腱付着部の炎症(いわゆる腱鞘炎〈けんしょうえん〉と同じ)で、テニスで最も頻度が高い障害です。ボールインパクトの衝撃を手首で受け、そのストレスが筋付着部の肘にまで及ぶことで起こる障害です。


上級者より初中級者のほうが罹患しやすく、障害=テクニックの未熟を反映しています。使いすぎによる症状ですが、親指側の肘外側が痛むタイプ(バックハンドストローク/写真1)と小指側の肘内側が痛むタイプ(フォアハンドストローク/写真2)とに分かれます。誘因として、ラケットの質(衝撃吸収性の良否)やガットの硬さ、またこれらが破損していて、衝撃吸収が悪い場合などが考えられます。

 対処法は第1に練習前後のストレッチングが挙げられます。肘だけでなく、肩から手首や指までの屈伸、前腕の回旋ストレッチが有用です。具体的には右肘を伸展位にて前腕の回内(写真3)、回外(写真4)は左手で抵抗をかけて右手を牽引しつつ行うと、手→肘→肩までストレッチされます。手首の背屈ストレッチも有用です(写真5)。

プレーの合間にも積極的に行いましょう。練習後のアイシングも重要です。練習時間の短縮に努め、肘のサポーター(テーピング)のみならず手首の固定も必要です(写真6)。


テニス障害の傾向  最近のテニス障害の傾向としては、速いサーブやスマッシュのために肩棘上筋炎(インピンジメント症)が、またトップスピンワイパー式スイングのために手首の障害が増加しています。

 ジュニアでは、肘を曲げての両手打ちが普及しているため、肘障害は減少していますが、シニアでは相変わらずシングルハンド(肘伸展)の選手が多く、テニス肘の原因となってます。テニス障害にはほかに腰痛(筋膜性腰痛、腰椎分離症、椎間板ヘルニア)、膝痛(半月板損傷)、足関節捻挫があります。テニスは敏捷性重視のためか、トップクラスでも、身体の硬い選手が多いので注意してください。

Waist

 

腰痛の症状がみられるようになりました・・・ 私は現在バスケットボール部に所属しているのですが、高校に入学したときから腰痛の症状がみられるようになりました。整形外科にてレントゲンを撮った結果、何も異常がないと診断されました。一時、腰痛の症状はみられなくなったのですが、今年にはいって再度腰痛の症状があらわれ、以前と比べ程度も大きく、とても辛いです。再度レントゲンを撮ったのですが、異常はありませんでした。今は鍼による電気治療とマッサージを主に受けています。おかげで少しは楽になりましたが、まだ完全には治っていません。そこで、治療以外でも自分でできる腰痛に効果的な対処法を教えてください。
(17才、男性)

レントゲンで問題ないということであれば、筋・筋膜性腰痛や疲労性腰痛であると思われます。この場合のコンディショニングは、股関節周囲の柔軟性の向上や体幹筋の強化が柱になります。詳細は、「鉄人」ホームページの「筋・筋膜性腰痛」(トレーナー編)をご覧下さい。ポイントをあげると、バスケットボールをされているとのことなので、股関節屈筋群のストレッチが重要です。股関節屈筋群は、ジャンプやプレー中の低い姿勢を保つことにより筋疲労がおきやすい部位です。筋疲労がおきると筋の短縮がおこり腰痛の原因となります。プレー前後以外にも、日常からストレッチをおこなってください。
また、プレー中は腰部サポーターを着用することも有効です。しかし、体幹の筋力強化は並行して必ず行ってください。サポーターだけに頼るのは禁物です。

サポーターに関しては、腰部の支持性が高くなるほど、動きには制限がかかることになりますので、症状に合ったものを選ぶことが重要です。サポーターに関しては、ザムスト「ZW-5」が良いと思います。腰部の支持力としては中程度のもので、支持力と動きやすさのバランスを重視したサポーターになります。詳しくはザムストのホームページを参考にして下さい。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

腰椎分離症になってしまい困っています・・・ 僕は野球部3年の副将で、もうすぐ中体連があります。打順は、4番、3番を任されていますが、腰椎分離症になってしまい困っています。今は練習を休んでいますが、監督からは少しでも早い復帰を望まれています。このホームページでは、6ヶ月~12ヶ月となっていましたが、中体連の期間だけでも、参加はダメなのですか?
(14才、男性)

腰椎分離症とのことですが、将来の事を考えると、ホームページにあるように治療に専念したほうが良いかと思います。

3番、4番を任されているということでしたら、高校へ行っても、レギュラーを取り、活躍できる実力を持っているのではないでしょうか?
今のあなたに将来のことを説明してもなかなか理解してもらえないかもしれませんが、私としてはできるだけ長い時間、スポーツを楽しんでもらいたいと思います。野球の一番のメインはプロ野球、次の人気は高校野球。高校野球で活躍できるように、今のうちに身体のメンテナンスをしておいたほうがよいと思います。
再度、受診している医師とも相談してみてください。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

練習後、腰がかなり痛むようです・・・ 高校1年の息子ですが 小学3年から野球をやっています。たまに腰の痛みを感じる事があったようですが、すぐに治るらしく病院には行っていません。でも肘は一度壊して病院に通い、一応完治しております。最近になって練習後、腰がかなり痛むようです。小学1年の時、無菌性髄膜炎で10日間入院し、3度髄液を抜きました。もしかしてその事が何か関係しているのでしょうか、是非意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。
(45才、男性)

もしも髄膜炎の症状が出ているのであれば、すぐに病院に行って下さいね。しかし、一般的に考えると、関係がないように思いますよ。その時の処置で大きな瘢痕組織などが残っているようなら関連性があるかも知れませんが・・・。

腰痛はさまざまな原因で起きることがありますから、動けないほど痛くて、集中力もなくなるほどでしたら、やはり早目に整形外科で受診して下さい。最近の医療では、骨だけでなく軟部組織の状態も画像診断で詳しく調べることができます。ヘルニアなどがないことを確認してから、練習した方が精神的にも安心できると思います!

高校1年生の腰痛ということであれば、何よりも生活の変化、練習量の増大、要求される身体活動能力のアップ、更にはさまざまなストレスがかかって腰痛になっても決して不思議ではないように思います。そうした環境の変化には、どうしても順応するまでに時間がかかり、1年生の夏休みぐらいまでに人によっては腰痛、また人によってはシンスプリントや膝、足の裏などに痛みや不具合が出ます。

身体が、そのレベルアップについて行けるようになるまでは、日々のアフターケアが大事です。今回の腰痛が治っても、毎日の練習の後に、しっかりとストレッチやアイシング、必要な時には選手同士ででもマッサージをすること。更に栄養のバランスを考えた食事を摂り、夜更かしなどをしないで健康的な生活を送ることが、腰痛の再発予防には理想的です。

低い姿勢で長い時間構えていたりすると、大腿部の前の筋肉が疲れきってしまい腰痛の原因になることもあります。体が硬い人は特にその傾向が強いようです。もちろん柔らかい人でも、大腿部の過労は腰痛の原因になり得ますから、しっかりストレッチをし、必要に応じてアイシングもして下さいね。酷使している分だけ労わる気持ちが大事だと言うことをご本人にもお伝え下さいね。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

ぎっくり腰は2種類ある!? たまに「ぎっくり腰」を起こします。直後の対処方法と予防方法などを教えてください。鍼治療などは有効なのでしょうか。

ぎっくり腰と呼ばれる急性腰痛は、椎間関節性腰痛と筋・筋膜性腰痛との2つのパターンに分けることができます。


椎間関節性腰痛 腰骨は椎骨という骨が連結されてできています(ダルマおとしでダルマが重なっている様子)。
椎間関節とは上下の椎骨の連結部に当たります。椎間関節性腰痛は、椎間関節を包んでいる袋(関節包)が、引き伸ばされたり、断裂したりすることによって起こります。「腰の捻挫」と考えてください。


筋・筋膜性腰痛 腰背部の筋は、広背筋・僧帽筋などの浅層筋と脊柱起立筋に代表される深層筋に分けられます。
筋・筋膜性腰痛に関係するのはこのうちの深層筋です。深層筋の筋や筋膜が、引き伸ばされたり断裂したりすることによって、筋・筋膜性腰痛が起こります。これは「腰の肉離れ」と考えてください。


原因 どちらも重量物を挙上したり、急激に身体を動かしたりしたことが直接の原因となります。しかし、腰周辺の筋の柔軟性が低下していた、疲労が蓄積していた、ということが、もともとの原因としてあるようです。


対処方法 ぎっくり腰に見舞われても、あわてずに楽な姿勢で安静にしていることです。そのほうがドタバタと病院に行くよりも、早く回復することが多いようです。まずは安静にして患部をアイシングします。安静姿勢とは、横に向いて腰を丸めるようにする、もしくは仰向けに寝て膝下に枕などを入れて両膝を立てるという姿勢です。やりやすいほうで安静姿勢をとるとよいでしょう(この姿勢は慢性腰痛の人にも有効です)。その後2~3日して痛みが軽くなったら(動けるようになったら)、病院に行きましょう。


予防のポイント ぎっくり腰は下に置いてある物を持ち上げるときによく起こります。腰だけを曲げて物を持ち上げようとすると腰に大きな負担がかかるので、しゃがんで脚の力を使って持ち上げるようにします。スポーツ選手の場合は、ダンベルなどを持ち上げるときに同様の注意をする必要があります。
また、腰部や股関節の柔軟性を保つことも重要です。バッティング動作などで「腰を回す」という表現をしますが、実際に動かしているのは主に、股関節です。したがって股関節の柔軟性が低下すると腰に負担がかかり、それがぎっくり腰の原因となるからです。


鍼治療について 鍼治療は患部の血行を促進したり、痛みを和らげたりするので有効です。しかし、針治療が適さない場合もあるので、専門医の診察を受ける必要があります。


予防のためのストレッチング ぎっくり腰に限らず、腰痛ではハムストリングや臀筋、大腿四頭筋、腸腰筋など股関節の屈曲・伸展にかかわる筋肉や、背中(肩甲骨周辺)の筋肉の柔軟性が関与しています。腰に痛みが出やすい人は、それらを特に入念にストレッチすることをお勧めします(「月刊コーチングクリニック」2000年11月号p.17~20参照)。トレーニング前後、就寝前、入浴後などにするとよいでしょう。行うときには、ただいつもの種目をこなすのではなく、柔軟性が筋の調子によって変化することを確認しながらやりましょう。「今日は少し硬いな」「今日は疲れているな」と感じたら、少し方向や強さ、時間などを変えていつもより入念に行います。疲労感、柔軟性の硬さを感じたらサポーターを利用するなど、腰の保護に努めましょう。


予防のためのトレーニング 体幹の筋力向上も、予防のためには非常に重要です。腰部の柔軟性が低い人は、上体起こしのトレーニング(「月刊コーチングクリニック」2000年11月号p.10図6参照)で上体を起した状態から元へ戻す際に、椎骨を1つずつ床につけてゆくようにして、背中を丸めてゆっくりと行ってください。
「月刊コーチングクリニック」2000年11月号p.10図6にある「水平面で上体起こし」を、負荷をかけて行うことも有効です。
そのほか、バランスボールを利用したトレーニングなども取り入れて、体幹のスタビリティやモビリティを向上させると同時に、筋力強化を行ってみましょう(「月刊コーチングクリニック」1996年10月号~1997年3月号に連載)。なお、トレーニングのときにも、不安定さを感じる、疲労感がある、柔軟性の低下がみられる、受傷直後で痛みを感じるという場合には、サポーターなどを利用してみましょう。


日ごろのチェック 毎日の体調、特に柔軟性や疲労感などをチェックして、それに対して的確に対処していけば、受傷、再受傷する確率を減らすことは可能です。

Knee

 

ヘッドスライディングをして膝を痛めてしまいました・・・ 相談があり、メールしました。 野球の試合中にヘッドスライディングをして膝を痛めてしまいました。整形外科に行ったのですが、後十字靭帯損傷と診断されました(MRIの写真も撮りました)。手術は難しいので足の筋肉をつけるしかないといわれました。どのようなトレーニングをしたらいいでしょうか?ご指導宜しくお願いします。
(34才、男性)

後十字靭帯損傷後の筋力トレーニングは、大腿四頭筋を鍛えることがポイントです。理由は、筋の走行から、後十字靭帯と同じはたらき(脛骨が大腿骨に対して落ち込むのを防ぐ)が期待できるからです。筋がはたらく動作は、膝を伸ばす動きが代表的です。
トレーニングの方法は、体重をかける方法とかけない方法があります。順番は、かけない方法からかける方法にしていきます。トレーニングは、週3~4回行います。また、筋力が向上してきたら負荷を上げていきます。可能であれば、スポーツクラブなどを利用されるとよいと思います。

代表的なトレーニング方法を以下にあげます。

◇レッグエクステンション(体重をかけない方法)
トレーニングマシンを使用します。膝を曲げた位置から伸ばしていきます。伸ばした状態で3~4秒維持して、もどす動作を8~10秒かけておこなうと効果的です。10回ぐらいできる重量で2~3セット行います。

◇空気イス(体重をかける方法)
イスに座るようにして、壁などに背中をつけて股・膝を90度ぐらい曲げます。その状態を、30~60秒維持します。2~3セット行います。両足で行いますが、慣れてきたら片足で行うのも効果的です。

◇スクワット(体重をかける方法)
立位から、股・膝を曲げてしゃがむ動作を繰り返します。この際、背中が丸まらないようにします。大腿部が床と並行ぐらいになるまで、しゃがみます。バーベルなどの重量をかつぐときは、10回ぐらいできる重量で2~3セット行います。かつがないときは、回数を多くします。回数は、20回×5セットや50回×2セットなど合計100回を目安に行います。初心者の場合、フォームをつくる必要があるため、指導を受けることをお薦めします。

また、野球に復帰する際には、再発予防でザムストのサポーターをお薦めします。その際、ザムストに限らず、市販されているものでは後十字靭帯用のサポーターはないと思いますので、側副靭帯用のサポーターを使用すると良いかと思います。ザムストでは「ZK-3」が良いと思います。サポーター本体の圧迫機能と左右のステーによる動揺抑制の機能で、ヒザの安定が期待できます。また、「ZK-7」など、前十字靭帯用のサポーターを使用すると、下腿の落ち込みを促進する恐れがあるので、使用しないようにして下さい。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

前十字靱帯断裂と、半月板も内側の方が損傷という診断をされました・・・ 昨日、MRI検査で、前十字靱帯断裂と、半月板も内側の方が損傷という診断をされました。 8年前スキーで転倒した話をしたところ、多分その時でしょう、ということです。5年前からエアロビクスを始め、4年前に一度膝崩れをおこし、水がたまって、抜いてもらったところ、一筋くらいの血が混じっておりました。8年前も4年前もレントゲンのみの検査しかしておりませんので、今回初めて断裂を知りました。4年前のケガ以降、昨秋までエアロビクスを続けておりましたが、特に異常はありませんでした。昨秋、2回続けて膝崩れをおこしたので、ここ3ヶ月あまりはエアロビクスを休んでいます。痛みは膝崩れの後、程なくとれ、腫れは最初からありません。現在は膝に多少の不安定感を感じる程度です。ただ、1月末に早足で歩いている時、膝のつっぱりを感じ、2日間ほど痛みました。日常生活の中では、その1回だけですが・・・。
筋肉もだいぶ落ちましたが、この1ヶ月、水中walkingとアクアビクス、機械での筋トレにより、また筋肉がついてきて、その為か膝の不安定感も以前より少なくなった気がします。
今回の医者からは、スタジオでステップを踏むような運動はもう止めた方がいいと言われました。 私としては、エアロビクスは生きがいになっているので、一番軽いプログラムでも細々と続けたいのです。前十字靱帯の手術も今は受けたくない気持ちです。
お忙しいところ恐縮ですが、お見立ていただけますでしょうか? 今の状況で可能な運動、また、筋力維持の為、やはりトレーニングをやった方がいいのか逆にあまりやらない方がいいのかについても、お教えいただけますか? どうぞ、よろしくお願いいたします。
(48才、女性)

4年前の膝崩れを起こされたときには、何をされていたのでしょうか?エアロビクス中ですか?それとも日常生活の中?どちらにしても、4年前に前十字靭帯を断裂したのではなさそうな気がしますが、もしも8年前からその状態のままで様々な活動を続けておられたのはすごい事だと思います。
と言っても、靭帯損傷は、単独であれば保存的な処置がとられることも少なくありません。もしも、2本以上の靭帯が断裂していると、たいていの場合、手術が適用されます。確かに8年前だとMRIがある病院は少なかったと思いますが、前十字靭帯が断裂していると「前方引き出しテスト」が陽性だったのではないかと思うのですが・・・。

さて、今回の件ですが、やっぱり問題なのは傷んでいる半月板とその周囲の軟骨の状態だと思います。傷ついて滑らかでない半月板が関節内にある状態で、体重をかけたまま回旋すると、関節が引っ掛かったり、軟骨が傷んだりする危険性があるからです。また、関節が不安定な状態で激しく動くと、周りの軟部組織にストレスを与え、それが原因で痛みや腫れ(炎症)が起きる事もあり得ると思います。

ただ、アクアビクスやマシントレーニングで筋肉がつくようですから、強い炎症や慢性的な腫脹はないのではないかと想像します。実は、関節内に腫れがあると筋肉の肥大はほとんど望めないのです。ですから、関節がしっかり安定するように筋肉をつけるプログラムを実施可能だと判断できます。もう二度と、膝崩れを起こさないための第1のアドバイスは、この筋肉をつけることです。

そしてエアロビクスの件ですが、しばらくは膝に回旋力が加わらないステップを中心にしていただいて、筋力の回復にあわせて少しずつレベルアップをされたらいかがでしょうか?初期の段階では、関節内の回旋運動を制限することが、膝崩れを起こさないための2つ目のアドバイスです。

そして十分なアフターケアをして疲労を残さないこと、決して無理はしないこと、腫れが出そうだと感じたらアイシングなどをして炎症を抑えることなど、手術をした人と同じような「ケア」をして下さい。

さらにもう一つアドバイスとして、栄養の摂取にも気を使って下さい。筋肉はもちろん軟骨や半月板にも栄養は必要です。ビタミンやミネラルなどの補給をしながら、大好きなエアロビクスを続けられるように自己管理をして下さいね。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

部員の1人が、前十字靭帯を損傷してしまいました・・・ 自分は高校でバスケ部に所属していて、今高2で、残りの期間がもう3、4ヶ月となってしまいました。そんな中、部員の1人が、前十字靭帯を損傷してしまい、検査の結果、3ヶ月松葉杖で、全治1年と言われてしまい、引退を考えてしまっています。本当にそこまで時間がかかってしまうのでしょうか?何か良い方法で早期回復は出来ないのでしょうか?
(17才、男性)

前十字靭帯の損傷は、スポーツの中ではかなり大きなケガの一つです。もしも内側側副靭帯も同時に切れていたら、手術が適用されます。前十字靭帯だけの単独損傷の場合には、膝の関節を支える筋肉のリハビリテーションをしっかり行い、関節を支える支持機構の回復を待ってから復帰する保存療法を選択することもあります。

手術をした場合でも、前十字靭帯の再建をすると、半年から1年はかけて復帰するように指導されています。極端に早めると再発の危険性があるからです。

そのチームメイトの1人がどうしても納得できない場合には、他のスポーツドクターにも相談してみて下さい。文字だけの情報では、中々これ以上のアドバイスができないので、第2、第3の意見を求めて受診することをお勧めします。

バレーボールの選手の中には、保存療法を選択した後、積極的に大腿四頭筋のリハビリを行い、スポーツ用の装具を装着し、数ヵ月後にはプレーを再開すると言うケースがよくあります。しかし、そのような際には、必ずドクターの指示の下、理学療法士の先生によるリハビリをし、更に専門の装具(ブレイス)を作っての復帰となります。もちろん、このパターンができるかどうかも、受傷の内容や回復の程度によって違いますので要注意です。何度も繰り返してしまいますが、スポーツ専門のドクターに直接診てもらって相談して下さいね。お大事に!
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

半月板損傷のリハビリについて教えて下さい・・・ 半月板損傷のリハビリについて教えて下さい。
(24才、男性)

手術をしない場合のリハビリテーション(以下リハビリ)のポイントをお答えします。

リハビリの順番は、非荷重位(膝に体重をかけない:座位)から荷重位(膝に体重をかける:立位)に進めていきます。また、早い時期から膝をねじる動作や深く曲げる動作は行わないようにします。
これらは、半月板を保護するうえで重要です。
症状が強いときや受傷直後は非荷重位でおこないます。その後、症状の緩和や時間の経過に応じて荷重位にしていきます。
内容は筋力トレーニングが中心となります。リハビリの具体例は「鉄人」ホームページの「半月板損傷」(トレーナー編)をご覧ください。
また、リハビリは、常に整形外科医や理学療法士と相談のうえ行ってください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

ケガの名前は何なのか?現状、復帰できる状態なのか?サッパリ分かりません・・・ 月に1~3回のフットサルが唯一の趣味の30歳サラリーマンです。1月末、特に準備運動をする事なくフットサルをした所、バックステップで急いで戻り中、急に右方向へ直角に曲がろうとした際に左ヒザを捻ったような感じになり、激痛とともに力が入らず転倒。近所の整形外科に見てもらった所、シップを渡され帰宅。1週間後に痛みがひいたので、トレーニングでダッシュ&サイドステップをした際、またもや同じ箇所に激痛が走り転倒・・・。
慌てて他の整形外科を紹介してもらい、そこでMRI検査を受けました。診断結果は前十字靭帯不完全断裂。手術をする前提で2~3度通院し、2月末、3度目に来院した所、「しばらく様子を見て、4月末くらいからスポーツに復帰してみましょう」と一転して言われました(?)。確かに日常生活では痛みはほとんど無いですが、正座や深い屈伸運動をしようとすると、まだ痛みが起こり、どうしていいか分かりません・・・。
整形外科には5月末にまた来るようにと言われましたが、一刻も早く復帰したいので、すがる思いで今は整骨院に通ってみたりしています。
果たしてケガの名前は何なのか?現状、復帰できる状態なのか?サッパリ分かりません。復帰しろと言われても怖さが残っており、復帰するのが考えられません。いったいどうしたらいいのでしょうか?またヒザ・サポーターをつければ出来るようならオススメを教えて下さい。以上、宜しくお願いいたします。
(30才、男性)

私も学生時代にサッカーをしておりまして、後十字靭帯を損傷し、手術を受けました。その頃はまだギプス固定の期間も長く、リハビリのことなども詳しく知りませんでしたので、競技復帰までに1年かかりました。その間、精神的にとても辛い時期が続きましたが、なんとか、乗り越えて復帰し、レギュラーに戻ることができました。
さて、ケガについてですが、とても信用性の高いMRI検査による診断ですので、前十字靭帯損傷は間違いないと思います。治療方法は受傷の程度、医師の方針や患者の生活環境、スポーツのレベルなどによって異なります。おそらく受診した医師がケガの経過やその他の要因により、そのように判断されたのだと思います。

ケガやリハビリテーションについては、「鉄人」ホームページの「前十字靭帯損傷」(メディカル編)の中に説明がありますので、そちらをご覧いただいたほうが分かりやすいと思います。

今はサッカーをやっていますか?フットサルの場合、体育館や人工芝など、靴と床のグリップが良すぎるので、関節に負担がかかりやすくなります。いきなり復帰するのではなく、ジムなどにある固定式自転車でトレーニングをしたり、ケガをしていない側の脚の筋力トレーニングをしたりして、徐々に行うようにしてみてください。
また、スポーツに復帰する段階では、テーピングやサポーターを用いて、再受傷しないように注意してください。
いきなり激しいスポーツは行わないようにしましょう。このあたりも上記のホームページに掲載されています。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

ジャンパーズニーのスペシャルケア 高校でバスケットボールをしています。ジャンパーズニーなので、いつも大腿部前面のストレッチングを行っています。しかし、練習が厳しくなってくると、ふだんのストレッチングだけでは効果がありません。自分でできるよい方法を教えてください。

ジャンパーズニーは膝のお皿の下が痛むスポーツ障害です。別名、膝蓋腱炎〈しつがいけんえん〉ともいいます。強化合宿などで練習量が増えた場合、ふだん行っているケアだけではまかなえない場合があります。今回は、ふだん行っているストレッチングにプラスする、ケアの方法を紹介します。
その前にまず、ジャンパーズニーで重要な大腿部前面のストレッチングについてポイントを確認しておきます。


2パターンのストレッチング 大腿四頭筋は、膝関節に作用する内側広筋・外側広筋・中間広筋と、膝関節及び股関節に作用する大腿直筋とに分類できます。それぞれストレッチングの方法も違います。必ず両方の筋肉をストレッチングするようにしてください。
特に大腿直筋は、股関節が屈曲しているとストレッチングできません。大腿直筋のストレッチングを行うときには、股関節伸展位を保ったままで膝関節屈曲をする必要があります(イラスト参照)。


アイシングとの組み合わせ ストレッチングとアイシングを組み合わせて行うと有効です。
方法は、初めに大腿四頭筋に対してアイシングを行います。大腿四頭筋全体をアイシングするのがポイントです。複数あるいは大きめのアイスパックを用いるか、もしくは大腿部前面をまんべんなくアイスマッサージするとよいでしょう。感覚がなくなったら、ストレッチングを2パターン行います。
アイシングをすることにより、筋肉の過度な緊張がとれます。そうすることでストレッチングを効果的に行うことができます。


低周波治療器との組み合わせ 家庭用の低周波治療器もストレッチングと組み合わせると有効です(低周波治療器は必ず使用上の注意書きをよく読んで使用してください)。低周波治療器で筋肉を動かすことにより、筋肉内の血液循環を促し、疲労物質を取り除きます。また、マッサージ効果もあるので、筋肉をリラックスさせることになります。
ポイントは、心地よく筋肉が動くように刺激量を調節することです。パッドは、内側広筋部と大腿直筋中央部付近につけるとよいでしょう(写真)。15分ほど使用したのち、2パターンのストレッチングを行います。


用い方の実際 練習直後には、アイシングとストレッチングを組み合わせて行います。そして入浴後に、低周波治療器とストレッチングを組み合わせて行うとよいでしょう。そのほか、セルフマッサージやペアストレッチングなども有効です。また、大腿四頭筋のアイシングとストレッチングの組み合わせは、練習前にも有効です。ぜひ試してみてください。

 

膝十字靱帯損傷からの回復 スキースクールのインストラクターです。エア台を跳んだあとの着地に失敗して膝前十字靱帯を損傷しました。インストラクターとして生計を立てていきたいので、それにあったレベルの回復を望んでいます。

前十字靱帯損傷とスキーという組み合わせは大変難しい内容です。スキー競技は膝関節の障害が最も起こりやすいスポーツであり、また競技では膝関節の安定性が望まれます。特に前十字靱帯の機能が重要です。前十字靱帯は、膝関節の下腿前方移動と、下腿の内旋動揺性とを制御しています。特にピボット動作時に機能します。質問者の状況がわかりにくいのですが、新鮮例(受傷直後)ではないと仮定してお答えします。


トレーニング中のチェック項目 まず、膝の状態をチェックしましょう。

  1. 日常生活で膝がガクッとする膝崩れ現象がないか
  2. ランニングが可能か
  3. 階段昇降が可能か
  4. 両足ジャンプが可能か
  5. ダッシュが可能か
  6. 片足ジャンプが可能か

を判断してください。
運動やスキー中に膝崩れは起こっていませんか?もしも膝崩れが起こる場合は、半月板損傷との合併、もしくは関節軟骨損傷との合併の危険性があるので、手術治療を前提に膝の再検査を受けてください。


トレーニング内容 トレーニングは、

  1. SLR、水中歩行、バタ足、クロール、平泳ぎ、エアロバイクなど、体重負荷が少ないものから始めます。
  2. 以上で膝痛や腫れがないことが確認できたら、ランニング、両足踏み切りジャンプ、マシンではレッグエクステンション、レッグカール、下肢の協調運動(股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈→股関節伸展、膝関節伸展→足関節底屈)など、膝関節への負担のかかる動作を次第に練習します。
  3. 最後にハーフスクワット、バランスボード(不安定板)、スライディング(スケーティング)、カーフレイズ、トランポリンなどを用いて、膝周辺のバランス感覚を再教育します。
  4. 以上で問題がなければ、活動性の高いスポーツを徐々に行ってください。それぞれ月単位でのトレーニング期間を要します。

保存的療法か観血的療法か 本症では、ハイレベルのスポーツ活動を維持する場合、原則的には前十字靱帯再建手術が必要です。保存的に経過を観察する場合には、前十字靱帯の機能は回復しないこと、それ以外の膝周辺の筋力維持、強化、競技パフォーマンスの向上を目的としていることをご理解ください。

足首Ankle

 

足の甲を痛めてしまいました・・・ サッカーの練習中に相手の足の踵を蹴ってしまい、足の甲を痛めてしまいました。2週間経っても痛みがひきません。アイシングはしています。
(16才、男性)

この情報だけでは、中々状況が分からないのですが、痛くても歩いたり練習に参加したりはできているのでしょうか?基本的に、立つ事ができるのであれば、大きな骨折や脱臼はないと判断されることが多いです。更に走ることもできるようであれば、小さな骨折の疑いもなくなっていきます。しかし、もしも立つだけでも痛みがあるようなら、是非一度、レントゲンやMRIなどの画像診断をしていただける病院に行って、整形外科で受診して下さい。
走ったり練習したりできているけど、残っている痛みが気になるのでしたら、腱や靭帯が傷んでいる可能性があります。足の甲のケガで治癒に時間がかかるのは、骨と骨の間にある神経に炎症が起きたときです。もしも神経が腫れていたりしたら、痛みが引くのに何ヶ月もかかることがあります。固定することはあまりお勧めしたくないのですが、それもドクターの判断に任せて下さい。

もしも、強い打撲だけということでしたら、地道にアイシングを続けていたら、少しずつですが必ず良くなっていくと思いますよ。骨の角が潰れるくらい強く打撲すると、それは圧縮骨折と分類され、完全に痛みが取れるまでにはかなりの時間がかかるのです。骨を修復するために必要と言われるカルシウムやマグネシウムなどを代表とするミネラルが十分に取れるようなバランスの良い食事をしながら、地道にアイシングをしてみて下さいね。

どうしても痛みに変化がない場合には、早目にドクターに相談して下さい。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

トウシューズを履いた状態で左足の足首をひねってしまいました・・・ 私は、プロのバレリーナを目指しています。 先日レッスン中、トウシューズを履いた状態で左足の足首をひねってしまい、スポーツ整形外科の先生に診察していただいたところ、足首の靭帯損傷と軟骨も損傷しているとのことで全治2・3ヶ月と診断されました。 今はまだ痛みもあり何もできない状態です。3ヶ月後に教室の発表会があり、‘くるみ割り人形’のグラン・パ・ド・ドゥを踊らせて頂くことになっています。
発表会でちゃんと踊れるように回復させることができますか?! 本当でしたらもうすでに踊りこんでいかなくてはいけない時期なのに、何もできないのでとても不安です。来年にはバレエ団のオーディションを受ける予定なので、この発表会は何としてもちゃんと踊りきりたいと思っています。発表会に向けて今からどのようなカリキュラムで体を動かせていったらいいのかもまったく分からず、不安でたまりません。
今からどのようなレッスンをしていったら一番よいのか、先生のアドバイスを頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
(20才、女性)

軟骨損傷を合併していると、捻挫のみより時間がかかりますね。発表会があるとのことですが、今後(プロを目指す)を考えるとしっかり治すべきです。 いまは我慢の時期です。

発表会までのトレーニングは、回復状況をドクターと必ず相談しながら行います。概容は、非荷重位(患部に体重をかけない、座位や寝た状態)から荷重位に進めていきます。早期からの荷重は厳禁です。
トレーニングの流れは「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(トレーナー編)を参考にしてください(もちろん、現在診てもらっているドクターとリハビリの先生の方針が優先ですよ)。
また、患部以外のトレーニング(非荷重位でのストレッチングや筋力トレーニング)は積極的に行ってください。
リハビリテーションの期間中はこのような不安がつきものです。こういうときこそ担当のドクターやリハビリの先生とのコミュニケーションが大切ですね。
お大事にしてください。
繰り返しになりますが、後遺症が残らないようにしっかり治してください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

息子が部活のサッカーの練習中に右の足首の捻挫をしてしまいました・・・ 息子が部活のサッカーの練習中に右の足首の捻挫をしてしまって、靱帯は切れていないのですが痛みが2週間ほど続いている状況です。病院にいってスポーツドクターに見てもらったところ、確か踵腓靱帯を捻挫していると言われました。
走ったりしてターンをするときに右足の拇指球に体重をかけるとネンザした部分にかなり強い痛みを感じるそうなのですが、これも捻挫の症状なのでしょうか?どうもこのことが心配です。
(41才、女性)

足関節捻挫をして2週間とのことですが、サッカーのトレーニングを休んで、患部を安静にするなどをしましたか?捻挫の程度にもよるのですが、ケガをした直後はできればすぐに病院に行き、医師の指示に従って、競技に復帰するようにしましょう。

メールから察するとおそらくそれほど重症ではないように思われます。ただし、走ったり、ターンをしたりしたときに痛みがあるとのことですが、これも捻挫の症状と考えられます。
まず医師にどこまで運動を行って良いか?を確認して、急激な切り返し(ターン)などは、ケガの状態が良くなってから行うようにします。
詳しくは、「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(トレーナー編)を参照してください。
そこに足首のリコンディショニングの一覧表がありますが、その最後から3番目に「方向転換」が入っています。ターンは最後の方にあるということは、負担がかかるものだということがわかります。
また、トレーニングを再開する場合にはテーピングやサポーターをして、足首に負担がかからないようにしましょう。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

足関節内反捻挫の対処法 高校でラグビー部のマネジャー兼トレーナーとして活動しています。試合や練習で、足関節内反捻挫のケガ人が発生したときに、どのように対応すればよろしいですか。特に、RICE処置をするまでの対処法について教えてください。

足関節内反捻挫はスポーツの現場において発生頻度が高い外傷です。それゆえ、適切な処置方法を身につけておく必要があります。質問がRICE処置をするまでということなので、グラウンドレベルでの対処方法についてお答えします。
まずケガの程度を調べ、それに応じて処置していきます。評価はグラウンドとサイドラインの2ヵ所で行います。グラウンドでは、そのまま動かしてよいものかどうかの判断をします。骨折や脱臼などがあれば、むやみに動かさないで、固定して担架で運びます。サイドラインでは、病院へ運ぶかどうか、また、軽症ならば試合(練習)へ戻すかどうかを判断します。現場に医師がいる場合は、その指示に従います。


グラウンドでの対応 ○選手の観察
ケガ人が発生したらトレーナーは、その選手のもとへ急行します。そのとき、走りながら選手をよく観察することが大切です。どの部分を手で押さえているかを観察することがポイントになります。人間は痛みのある部位に本能的に手がいくものです。ですから、手で押さえている部位イコール受傷部位であるといえます。
○問診
選手に「何が起きたか?」「どこが痛むか?」「音がしたか?」などを聞きます。音(バキッやボキッ)が聞こえていれば、骨折や靱帯損傷が考えられます。このように受傷状況を把握することは、診断の参考になります。
○視診
シューズを履いたままの状態で、脱臼や骨折による変形がないか、出血がないかを確認します。このとき、視診しやすいように、選手を長座位か仰向けで寝かせます。
○触診
同じくシューズを履いたままで、下腿の内外側や内顆、外顆周囲の靱帯や骨を触診します(写真1)。内反捻挫が疑われる場合は、外顆前方の前距腓〈ぜんきょひ〉靱帯、直下の踵腓〈しょうひ〉靱帯をシューズの上から押して、受傷靱帯を確認します。

○固定と搬送
触診などから骨折や脱臼が考えられる場合には、器具を使って固定し担架で搬送します。
○運び方
特に問題がない場合は、トレーナー2人で運び出します(写真2)。このとき、選手には受傷したほうの足に体重をかけないように(足をつかないように)指示します。ゆっくりと慌てずに、選手の動きに合わせてサイドラインへ戻ります。


サイドラインでの対応 ○患部への詳しい評価
サイドラインへ運んだら、もう一度、問診、視診、触診を繰り返します。視診と触診は裸足にて行います。シューズとソックスを脱がすときには慎重に、1人が足部を固定して、1人が脱がしていくとよいでしょう。 視診では変形や腫脹〈しゅちょう〉(腫れ)の確認を行います。腫脹が認められる場合は靱帯が損傷していると予測できます。よって、ただちにRICE処置を行います。腫脹や疼痛〈とうつう〉が激しい場合は病院へ送ります。また、触診で圧痛を確認することも損傷靱帯を予測するのに有効です(写真3)。圧痛が確認できたら、その箇所を中心にRICE処置を行います。もちろん、試合(練習)の続行は不可能です。

○運動痛のチェック
腫脹も圧痛も認められない場合は、ジャンプやダッシュの基本動作や競技動作のチェックをして、痛み(運動痛)がなければ試合(練習)に戻します。このときテーピングやブレースをして、試合(練習)に戻すようにしましょう。

 

足関節捻挫後の痛みの原因と対処法 足首の外側の靱帯を損傷しました。6日後に手術を受けて今は走れるようになりましたが、いまだに足首に痛みがあります。この痛みが一生とれなかったらどうしようかと不安の毎日です。僕は高校3年生で、高校最後のインターハイの出場を狙っています。この状態ではインターハイ出場はとても厳しそうなので、痛みがひく方法を教えてください。

心配されているようですが、現在走れるのですから、痛みを一生引きずることはないでしょう。


痛みの原因と対処法 現在の痛みの原因を分析すると、
(1)ケガをした部位の痛み(手術した傷の痛み)
(2)関節の腫れによる痛み(関節炎の痛み)
(3)関節軟骨の損傷による痛み
(4)足関節が硬くなって、運動によって負担がかかることによる痛み
(5)周辺筋力の低下による痛み
などが考えられます。

このうち
(1)ケガをした部位の痛みは時間とともに徐々に回復していきます。
(2)関節の腫れは、運動負荷によって関節に負担がかかりすぎるためであり、少し運動量を減らすか、あるいは下肢のストレッチングを行うとよいでしょう。練習前後のストレッチングや、練習後の腫れや熱をとるアイシングは、必ず実行しましょう。
(3)内反捻挫では受傷時に足関節内側の関節軟骨を傷めることがしばしばあります。内側に痛みがある場合は特に練習後のアイシングを徹底してください。痛みがひかない場合は専門医を再度受診しましょう。
(4)と(5)はトレーニングによって十分に改善することができます。


トレーニングによる改善法 原因(4)(5)の、トレーニングによる改善法の具体例を示します。

  • 第1段階:受傷後すぐはケガをした関節のトレーニングは行いません。それ以外の関節の運動、例えば足趾の運動(タオルつかみ)、膝の屈伸運動を行い、患部の安静を保ちます。アイシングの実施を徹底させます。
  • 第2段階:痛みや腫れが少し治まったら(大体受傷後3週以内)、プール歩行、アキレス腱のストレッチング、エアロバイク、等尺性の足関節底背屈抵抗運動を行います。
  • 第3段階:片足立ちが可能になったら(大体受傷後3週以上)、足関節が硬い場合は、しゃがみ込みの姿勢をとって背屈を強制し、関節後面やアキレス腱を伸ばします。また、風呂の中で正座をして底屈を強制し、関節前面を伸ばします。筋力の回復トレーニングでは、足を前後・内外側の4面に見立て、各面を鍛えていきます。背屈によって、足の前面の前脛骨筋、長母趾伸筋腱が刺激を受けます。つま先立ちによって、足の後面にある下腿三頭筋(ふくらはぎ)、アキレス腱が鍛えられます。内反動作によって、足の内側の後脛骨筋が鍛えられます。外反動作によって、足の外側にある腓骨筋が鍛えられます。外側靱帯を傷めた場合は特に、外側靱帯の機能を補うために、腓骨筋を強化することが重要です。第4段階では、軽いランニングを開始します。チューブを使った足関節内・外反の抵抗運動も行います。
  • 第4段階:最後は階段ダッシュ、サイドステップを行います。これらが可能になったら、両足踏み切りジャンプ、ダッシュをまぜていきます。

関節の負担を軽減する 痛みを誘発しないようにするには、関節の負担を軽くすることです。つまり適切なトレーニングによって足関節周辺部を強化する、アイシングを徹底して行う、足関節のテーピングや装具(下の写真を参照)などによって外側の支持を補強する、といったことで痛みを出にくくします。まず日々のケアが大切、無理なく復活できるようにしましょう。

大腿・下腿Thigh・Calf

 

最近両脚の頸骨辺りが痛むんです・・・ はじめまして。私は高校3年生です。バスケ部を引退し、今は体育大学を受験しようと考えており、毎日マット運動と100m走とバスケの練習をしています。それで、最近両脚の頸骨辺りが痛むんです。高1の時も同じような痛みが続き、病院へ行ったら疲労骨折でした。毎年冬の時期になると痛くなり、困っています。今はまだ、たまにずきんとするぐらいの痛さなのですが、これから試験の日までの練習の中で、すねに負担がかかりまた痛くなるのではないかと不安です。
筋力をつけるためトレーニングをしてから本格的な実技の練習に入ったのですが、やっぱり痛くなってしまい、どうすればよいのか悩んでいます。一応お風呂に入って温めたり、ふくらはぎのストレッチをやったりしているのですが、他に疲労骨折を防ぐために出来ることはないでしょうか?
(18才、女性)

脛骨の疲労骨折と診断された場合、本当に骨に連続的な外力が加わることによってまさに金属疲労と同じようなメカニズムが原因の「骨への障害」が起きている場合があります。最近では、MRIなどの画像診断でそれがはっきりと分かるようになりました。しかし、直接的に骨が傷んでいるのではなく、骨膜や筋膜、場合によっては、筋肉が傷んでいる場合もあります。
どこが傷んでいたとしても、応急処置はアイシングが基本です。そして対処法もよほど特別でない限り、共通しています。しかし残念なことに、対処法の大原則である「休養」は、現実的なスポーツの現場では中々することができません。疲労骨折に代表されるようなオーバーユース症候群(使い過ぎによる障害)は、使い過ぎが原因ですから、少し休むか運動量を落とせば良いのですが…。

運動するグランドや床の硬さが、脛骨の疲労骨折やシンスプリントの原因になることもあります。冬になってシューズの底のゴムの硬さが変わってしまうことも同様です。夏の暑いときと、冬ではシューズの硬さが劇的に違っているかもしれませんね。特に寒いところでは、あり得るかも知れませんね。練習前にシューズの底を温めてみるって・・・どうでしょうか?

先に床の硬さやシューズの話をしてしまいましたが、足の裏の状態が大いに関係していると思います。疲れが溜まって足の裏が張っていると、衝撃の吸収ができず脛にガンガンと響いてしまいます。足の裏については、練習後の疲労を残さないようにマッサージローラー(100円ショップなどでも売っています)を使ってマッサージしてみてはいかがでしょうか?

テーピングの本などでは、シンスプリントのテーピング方法が紹介されていますが、ほぼ同じ巻き方が効果的なのではないかと思います。プロ野球の選手には、サランラップのような素材でできたダイエットラップを脛に巻いて楽になったと言う方々もいらっしゃったようです。今後、その対処法が雑誌や本でも紹介されるのではないかと思います。

これまで通りのお風呂で温めたり、ふくらはぎのストレッチをしたりすることに加えて以上のようなケアをしてみて下さい。アイシングは、寒くても運動直後の痛みが強い時には行って下さいね。耐え難い痛みがある時には、必ず病院にて受診して下さいね。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

1ケ月ぐらい前から右腰の後ろ側と右足の太股が痛くなってしまいました・・・ ジョギングを週3回ぐらいしています。年に4~5回ハーフのマラソンに参加、1時間45分程度の記録です。
1ケ月ぐらい前から右腰の後ろ側と右足の太股が痛くなり、ゆっくり走らないと痛くて走れません。
また、ゆっくり走っても2~3km程度で痛くなってしまいます。2週間前のハーフは10kmぐらいで棄権しました。病院へ行ったほうが良いでしょうか?腰の痛みはすこし良くなっています。以上 よろしく御願いします。
(60才、男性)

まずは病院に行くことをお勧めします。お近くにスポーツドクターがいる整形外科はありますでしょうか。もしわからないようでしたら「日本体育協会」のホームページでスポーツドクターを検索するコーナーがあります。整形外科のドクターを検索してみてください。
また、ジョギングの後や日常的にストレッチングを行う習慣はありますか?それほど疲れていないと思っていても、疲労が蓄積して、筋肉の柔軟性が低下し、関節や腱などに負担がかかってしまう場合があります。特に走った後は入念にストレッチングを行うようにしてみてください。

痛みのある右腰、臀部だけでなく、脚の裏、ふくらはぎ、胸のストレッチングなども合わせて行うことにより、一番柔らかくしたい場所が伸びやすくなります。全身をゆっくりリラックスして行うことをお勧めします。

シューズはどのようなものをお使いですか?ご存知かと思いますが、体力レベル、体重などによってシューズの種類を変える必要があります。専門店のスタッフに相談してみてください。また、長い期間使用したシューズは、衝撃吸収能力が下がってしまいます。チェックしてみてください。

まずは、病院で診てもらってください。その際、いつ頃までにどのようなことをしたら良いかをしっかり相談してください。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

バトミントン中にふくらはぎに肉ばなれを起こしました・・・ 先日、バトミントン中にふくらはぎに肉ばなれを起こしました。夜間だったのですが救急で整形の医師に診てもらえました。 次の日の午前中は痛くて立てませんでしたが今は何とか歩行できています。
今はふくらはぎに青いアザとがあります。その周りは薄いですが赤っぽいアザ?もあります。まだつま先を上に上げると痛みもあります。安静にと言われてシップをもらい包帯で固定しています。冷やすのは2・3日と聞きましたが今は暖めた方がいいのでしょうか?近くの整形の先生にかかった方がいいのでしょうか?いつ頃スポーツを再開していいのかが分かりません。
(30才、女性)

肉離れとのこと。その後、痛みなどいかがでしょうか?患部の下にアザができたのは、肉離れによる出血の後と考えられます。これは時間が経てば消えてゆきます。

肉離れについては、当サイトの中(「鉄人」ホームページ内の「肉ばなれ」)に詳しい説明があります。メディカル編、トレーナー編の両方をご覧ください。
ポイントは時間をかけてしっかり治すことです。焦って早くから競技に復帰してしまい、再発させてしまう方が多いようです。再発させてしまうと、更にその部位の肉離れを起こしやすくなります。注意してください。
サイトの説明にもあるように約6週間でスポーツへの復帰とありますが、受傷の程度により期間は変わります。受診した整形外科の医師に相談してみてください。
暖めるか、冷やすかということですが、腫れがあり、熱を持っているようでしたら冷やすようにしましょう。受傷による炎症が治まったところで、暖めても良いと思いますが、心配な場合には特に暖める必要はないと思います。市販の湿布薬で消炎鎮痛剤入りのものを貼っておくのが良いと思います。
焦らずに治すことができたら、再発予防のためにストレッチングを良く行うようにしてください。特にふくらはぎの肉離れとのことです。おそらく、太ももの筋肉などの疲労により、そこに負担がかかったと思われます。できるだけ、患部に負担がかからないように、他の部分の筋力向上、疲労回復にも気を使ってみてください。また、患部の保護、安定にはサポーター(ザムスト「TS-1」)も有効です。スポーツ店で是非一度試してみてください。
繰り返しになりますが、焦らずにじっくり治しましょう!
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

右足のふくらはぎの肉離れを起こしてしまいました・・・ はじめまして。ふくらはぎの肉離れについて質問させてください。5月にサッカーの練習中に、急にダッシュをしたときに、右足のふくらはぎの肉離れを起こしてしまいました。その後、治りかけてきた6月に、サッカーの練習中に急な動き出しをしたときに、同じ場所の肉離れを起こしてしまいました。また再度、治りかけてきた7月に、サッカーの試合中に急な動き出しをしたときに、同じ場所の肉離れを起こしてしまいました。
5月、6月の肉離れは痛いものの歩くことはできるレベルで、特に病院には行きませんでしたが、7月の肉離れは歩くことがかなり厳しいレベルでした。それでも、最初は特に何もしなかったのですが、1週間後に肉離れを起こした場所にしこりのようなものを感じ、整形外科に週1のペースで3週間ほど通い、赤外線と電気の治療を受けました。しかし、あまり症状が変わらないため、別の整形外科に週3のペースで3週間ほど通い、保温と電気、マッサージの治療を受けました。それでも、あまり症状が変わらなかったため、別の接骨院に週3のペースで10月まで約2ヶ月近く通い、アイシングと電気、ローラーによるマッサージを受けました。今はしこりのほうもだいぶ小さくなってきたのですが、ジョギング(2~3km)を行うと、しこりの部分に違和感があります。
最近、今後の対処法はどうすればいいのか悩んでいます。7月に肉離れを起こしてから時間が経つのですが、2つの整形外科では温めることを薦められましたが、もう一方の接骨院では、冷やすことを薦められました。どちらの治療法をとったほうが早く治るのでしょうか。また、なぜ、保温と冷却という対称的な治療法を薦められるのでしょうか。
お手数をおかけしますが、アドバイスをお願い致します。
(30才、男性)

詳細な経過をありがとうございます。肉離れは、完治するのに長期期間かかりますね。

Q:最近、今後の対処法はどうすればいいのか悩んでいます。
A:トレーニングはされていますか?特にストレッチングは重要です。ふくらはぎ(下腿三頭筋)は、腓腹筋とひらめ筋それぞれのストレッチングが必要です。一般的なアキレス腱ストレッチングを、膝を伸ばして行うと腓腹筋、曲げて行うとひらめ筋になります。その他の方法は、「鉄人」ホームページの「肉ばなれ」(トレーナー編)をご覧下さい。

Q:保温・冷却どちらの治療法をとったほうが早く治るのでしょうか。
A:どちらがよいということはありません。繰り返しになりますが、治療とトレーニングを両方行うことが大切です。

Q:なぜ、保温と冷却という対称的な治療法を薦められるのでしょうか。
A:どちらも血液循環を促進するはたらきがあるので効果は同じなんです。冷却は一度血管を収縮させておいてリバウンドで拡張させます。よって、冷やし過ぎないことがポイントです。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

足(特にふくらはぎ)を「つる」事が多くあります・・・ 運動をすると、足(特にふくらはぎ)を「つる」事が多くあります。特に走っている時に多いです。何か予防・対策などアドバイスがありましたらお願いします。
(27才、男性)

「つる」原因としては、ストレッチングの不足・水分不足・循環不全(冷えやテーピングなどによる圧迫)などが考えられます。

予防は

  • ストレッチングの実施
    行っている場合でも「つる」場合は、ストレッチが不足しているということなので、十分に行ってください。ふくらはぎは、いわゆるアキレス腱のストレッチングを行います。膝を伸ばした方法と曲げた方法の2種類行います。「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(メディカル編)に、膝を伸ばした方法があります。参考にしてください。
  • 水分不足
    運動中だけではなく、運動前にも水分補給を忘れないようにします。発汗が多いときは、電解質を補えるスポーツドリンクが効果的です。
  • 循環不全
    ふくらはぎを冷やさないように長ズボンをはく、汗をかいた場合は速やかに着替えます。

対策は

  • 「つった」部位のストレッチングを行います。運動は中止したほうがいいです(そのためにも予防が大切です)。

(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

運動量急増によるシンスプリント 冬期トレーニングが始まってから、だんだん脛〈すね〉が痛くなってきました。周りにも同じところを痛がっている選手がいて、一番ひどい選手は病院でシンスプリントだといわれたそうです。シンスプリントは新人病で5月に多いと聞いたことがあるのですが、冬にも起こるものなのでしょうか。

運動量の急増によるシンスプリント(過労によって生じる、向こう脛の痛みの総称)である可能性が高いでしょう。

これらの選手の場合、上記の質問以外に以下のような特徴があるのではないでしょうか。

  1. 秋のシーズンが終わり、本格的な冬期トレーニングを開始して2ヵ月目。
  2. 練習量、練習時間がシーズン中よりかなり増えた。坂道でのダッシュも行っている。
  3. 日没が早くて寒いので、練習後あまりクールダウンをしないですぐに帰ってしまう。
  4. したがって、ストレッチングもあまりしていない。
  5. アイシングは試したが、効かなかったのでもうしていない。

シンスプリントは陸上競技選手によくみられるスポーツ障害です。新人選手が入学してしばらくしてからよく起こすので、陸上競技の五月病ともいわれています。今回のケースも時期は異なりますが、基本的な原因は「練習量の急激な増加」だと考えられます。
また、アスファルトの上での坂道ダッシュなどは、シーズン中にはほとんどやっていなかったようです。気候の変化もあって新陳代謝も違っているわけですから、「練習環境の変化」も要因として加わってきます。
対策としては、監督やキャプテンと相談の上、身体を順応させるためにも、練習量において身体にかかる負荷を徐々に増やしていくような工夫が必要です。チームで同じメニューを行っている場合には難しいかもしれませんが、本当に耐えられない痛みのシンスプリント、あるいは疲労骨折になってしまってからでは遅すぎます。
また、暗くて寒いからといって、クールダウンをないがしろにするのは感心しません。ストレッチングは、帰宅してからでもやったほうが、やらないよりはずっとよいはずです。


シンスプリントになりやすい人の特徴 同じ練習で、特定の人たちだけがなるケースもあります。その場合、(1)形態的な特徴(アライメント)、(2)動きの特徴(バイオメカニクス)、(3)使用器具やシューズの特徴、などが原因として考えられます。トレーナーとしては、それらの特徴を分析して細かな対策を練る必要があります。

形態的な特徴としては、脛の曲がり具合や土踏まずの高さなどが挙げられます。脛(脛骨〈けいこつ〉)は、下方3分の1くらいのところで若干カーブしていますが、この曲がり具合が、人によってかなり違います。もちろん脛骨そのものの長さや、太さの違いなどもチェックします。土踏まずの特徴は、次の動きの特徴とも複雑に絡んでくるのですが、やっぱり落ちている人のほうが、よりシンスプリントの症状に悩まされています。

次に動きの特徴ですが、着地直後に脛骨が内旋する人がシンスプリントを起こしやすい傾向があります。これは土踏まずが落ちている人、足関節が柔らかすぎる人、X(エックス)脚の人などにその傾向がみられ、わずかに膝が内側に入っている人もシンスプリントになっている例があるようです。こうした傾向をもつ人は、動きのなかで脛骨が内旋を起こす際に、ある1点にだけ強い負担がかかり、金属疲労と同じようなメカニズムで骨を痛めてしまうのです。

シューズがシンスプリントの原因に、逆に予防のキーになることもあります。特に裸足で歩くことが少なくなった今、幼少の頃からクッション性の高い靴を履き、その衝撃吸収力に自分の体重をすべてゆだねる習慣がついている選手も少なくありません。また、足趾〈そくし〉を使わずベタベタと歩いていて土踏まずが落ちてくると、中敷きでサポートしないと、疲れやすくシンスプリントになりやすいケースも出てきます。


シンスプリントの予防対策 さて、さまざまな特徴を述べてきましたが、対策としては、姿勢の矯正、動き(フォーム)の改善、そして使用するシューズを自分のニーズに合わせること、以上のことを心がければよいわけです。

立っているときには、お尻の筋肉にやや力を入れるような感じで膝を少し外に向け、土踏まずの真ん中の部分をもち上げてアーチをつくるようにイメージしてください。そうすると、脚全体がきれいでまっすぐなラインに見えてくるはずです(アライメントのチェック)。

歩いているときや走っているときには、接地している間に足首が入りすぎて回内していないかをチェックします。人によっては1本のライン上を走るよりは、左右の足が別々のライン上を走るようにしないと足首が入りすぎる人もいます。個人個人で、それらのラインがどれくらい離れるべきかを研究してみてください(動作のチェック)。

さらに、最初に述べた練習環境のチェックと、身体の順応のスピードと個人の特異性に合わせた練習メニューを組むようにすると、シンスプリントの痛みからかなり解放されるのではないでしょうか。

正しいウォームアップとクールダウン、ストレッチング、そしてアイシングには即効性はありません。しかし、シンスプリントは、捻挫や骨折のように瞬間的に受傷するケガではなく、時間をかけて徐々に発症するので、治療やコンディショニングも根気よく続けてほしいものです。それでも、どうしても駄目なときには、骨シンチグラフィーという装置をもっているスポーツ整形医を受診してください。

 

肉離れのあとの違和感 昨年、サッカーの試合中に肉離れを経験して、2~3度病院に通ったものの、あと少しのところで通院をやめてしまいました。完治したと思っていたのですが、先日軽くジャンプしたときに、再び違和感を覚えました。肉離れを甘くみて治療を途中でやめたことが原因なのでしょうか? 肉離れをクセにしたくないので完治させたいのですが、今の状態からどうすればよいのでしょうか? ちなみにウォームアップをして身体が温まると違和感はなくなります。

肉離れを起こすのは、人より身体が硬かったり、肉離れを起こした筋肉が特別硬かったりというように、柔軟性になんらかの問題を有しているためです。

肉離れを起こすと組織内部の出血がみられます。
出血した組織は硬い瘢痕組織へと変化し、瘢痕組織は適度な張力が加わって動かされることによって、徐々に元の状態に近い柔軟性の備わった組織へと変わっていきます。ここまで最低6ヵ月くらいかかると思ってください。

しかし、6ヵ月間ただ安静にしているだけでは、筋肉は受傷前の状態には戻れません。肉離れでは安静期間は必要ですが、肉離れの個所によい影響を与えるためには、同時にやるべきことがあります。それは筋肉の柔軟性獲得です。

スポーツ選手の場合、適切な安静期間(3~4週間)と治療を行い、痛み(局所の圧痛)が治まったら、再発予防を目的とした“肉体改造”に着手していきます。つまり、ケガをした部分及びその周辺の関節の可動域獲得や筋肉の柔軟性獲得維持のためのストレッチング、軽い筋力トレーニングなどを常に行いましょう。筋トレのウェイトは絶好時の半分で十分です。負荷がかかりすぎないように気をつけてください。

痛みや違和感がまったくなくなったら、受傷原因のスポーツ動作(練習)を徐々に再開します。練習再開後の注意点としては、違和感を覚えたらすぐに活動を中止し、圧痛の有無や運動時痛の個所をチェックすることです。

質問ではウォームアップをして身体が温まると違和感がなくなるとありましたが、しごく当然のことです。ウォームアップによって、筋肉や関節が柔軟性を帯びてきて肉離れ周辺の負担が軽くなるからです。また、筋肉がストレッチされることにより、血行もよくなるからでしょう。

練習後は障害部位に熱感が生じるでしょうから、局所のアイシング(約15分)を徹底して行ってください。

肉離れは、骨折と違ってギプスを巻かないので、つい簡単に考えがちですが、スポーツ選手にとって重傷度の高い障害です。再発しないよう、適切なリハビリテーションと肉体改造を行ってからスポーツを再開しましょう。

 

肉離れはクセになる!? 肉離れを起こしてしまいました。肉離れはクセになるというのは本当ですか。クセにならない方法は?

肉離れは、ふくらはぎ(下腿中央やや内側)、大腿ハムストリング、大腿四頭筋、上腕二頭筋によく起こり、陸上競技短距離、サッカー、テニス(tennis legという言葉もある)、アメリカンフットボールなどの競技でよくみられます。最近の例では、元横綱若乃花の引退の原因となったハムストリングの肉離れがあります。

肉離れの一番の特徴は、再発が多いことです。再発が多いことが「肉離れはクセになる」といわれるゆえんです。

28歳女性テニス選手の例では、前方のボールを取りにダッシュしたときに、ふくらはぎ(腓腹筋内側頭)に肉離れを起こしました。治療はRICE療法(応急処置の安静・冷却・圧迫・高挙の処置)を中心に行い、足関節の過伸展を制限して、日常生活は自由にしていました。3週間で局所の圧痛が消失したので軽いランニングを開始しましたが、4週で禁止されていたテニスを自己の判断で再開し、さらに重度の肉離れを起こしてしまいました。そのため、さらに6週間もプレーの中断を余儀なくされてしまいました。

肉離れとよく似た傷害にアキレス腱断裂がありますが、筋肉の断裂である肉離れは、筋肉それ自体の血行がよいため、アキレス腱断裂に比べて局所の回復ははるかによいという特徴があります。
しかし、軟部組織の損傷を甘くみてはいけません。日常生活とスポーツとでは筋肉の使い方や負担がまったく違うので、日常生活で支障がなくなったからといってスポーツを再開してしまうと、再び肉離れを起こしてしまいます。

肉離れをクセにしないためには、肉離れを起こしたときに十分な対応をすることです。まず受傷時は、足関節軽度底屈位でテーピングして、肉離れがさらに離開しないようにします。受傷直後は歩行にも支障がありますが、1週間ほどで局所の疼痛が軽減してきて、歩行が可能になります。歩行できるようになったら、足関節背屈のストレッチを軽く開始します。

圧痛(押すと痛みがある)が消失する3週間目くらいから、徐々に軽いランニングを始めます。そのころはまだ肉離れを起こした箇所に硬結(しこり)が残っていますが、硬結があるうちにハードな練習をすると再発してしまうので、例えば、ランニング中にハーフスピードダッシュを組み合わせるなどして、受傷後6週間は全力のジャンプやダッシュを休止します。

足関節の背屈ストレッチや抵抗運動で疼痛や違和感がまったくなくなったら、受傷原因のスポーツ動作を徐々に再開します。スポーツ再開後も、筋肉に“ピキッ”ときたら、直ちにプレーを中止するようにします(急がば回れ!)。硬結部周囲の電気刺激、はり刺激も有効です。

股関節Hip Joint

 

バネ股と診断されました・・・ 病院で診察した所、バネ股と診断されました。良くなる事はないけど、悪くなる事が有るよ。と言われました。何回も繰り返すから、手術したほうがいいと言われたのですが。どうしたら、よいのでしょうか。
(14才、女性)

バネ股は、何度も繰り返すようで日常生活にも支障が出るようなら手術をした方が良いそうです。手術そのものもそんなに難しいものではなく、一般的には30分くらいでできるそうです。

もちろん、手術と言うととても不安があるでしょうから、納得が行かない場合には、他のお医者さんにも相談してみて第2、第3の意見を伺っても良いと思います。ただ、バネ股(弾発股)の手術は、他に症状を併発していなければ特に難しいものではないとのことですから、ご安心を!
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

スポーツヘルニアと診断されました・・・ 昨年の11月末から、右足付け根の部分・鼠径部が痛み出しましたが、無理をして走っていました。歩く時に痛みはありますが、走れるような状態です。2月ごろ、痛くて歩くことも難しくなってきて整形外科を受診、XP・MRIは異常なしで、痛みがなければ走ってもよいとのことでした。走ったり歩いたりを繰り返し、いっこうに回復せず、その後、ランを中止し日常生活には支障がない程度になりましたが、歩いたり走ったりを始めるとまた、同じ痛みを繰り返します。9月末にスポーツ整形を受診、スポーツヘルニアと診断されました。近隣には診れる先生がいないとのことで、とりあえずPTの先生から、アイシングと股関節・内転筋のストレッチと筋力強化を言われました。
が、この長期に渡る痛みに対して、冷やしたほうがよいのか、筋力低下・アップのため、どのようなことに取り組めばよいか、手術が必要であるのかどうかも分かりません。現在、水泳は毎日続けています。
今後、どのように対処し、どのように治療すべきなのか、分かりません。
(31才、女性)

トレーニングにより改善するので、手術はよほどの事が無い限り考えなくてよいと思います。

スポーツによる鼠径部周辺痛のトレーニングのポイントは以下です。

  1. 股関節周囲の柔軟性を高める内転筋以外にも、腹筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチングを行います(詳細は「鉄人」ホームページの「恥骨結合炎(鼠径周辺部痛症候群)」(トレーナー編)を参照)。
  2. 筋力トレーニングは股関節外転筋や伸展筋、腹筋を中心に行います。腹筋は、痛みのない範囲で行います。患部に負担になる股関節内転や屈曲は行いません。

アイシングは痛みがある場合は有効です。また、慢性期の痛みには温めるのも有効です。どちらでもよいと思います。ただ、冷やし過ぎないようにしてください。慢性期であれば、一度冷えた感覚があればよいと思います。
水泳は痛みが無い動作なら積極的に行ってください。くれぐれも無理をしないようにしてください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

開脚座位のストレッチングによる傷害 陸上競技短距離選手です。開脚のストレッチングをしていて筋肉を伸ばしてしまったようです。表現しにくいのですが、右大腿部の裏側の筋肉(お尻の下の辺り、股下の辺り)です。開脚で上体を前に倒すと痛みます。走っているときには異常はないのですが、不安なのでアドバイスをよろしくお願いします。

開脚座位で無理にストレッチング(写真)をすると、一般に内股〈うちもも〉といわれる部分の筋肉に痛みを感じます。ストレッチングの基本からいうと、ストレッチ感と呼ばれる“伸びている感じ”を超えて“痛み”を感じるのは、伸ばしすぎであり、肉ばなれなどの危険がないとされる“安全限界”を超えようとしています。しかし、ストレッチ感がある程度なければ「有効限界」と呼ばれる柔軟性向上の効果が期待できる運動負荷にはなりません。かといって、あまりの痛みに耐えて一気に伸ばしすぎると、安全限界を超えて傷害を起こしてしまうわけです。


起こしやすい部位 開脚座位のストレッチングで傷害を起こしやすい部位(図3)は、薄筋や内転筋の付着部(起始部:図4)であり、まさに内股の付け根です。相撲の世界では新弟子たちが「股割り」を行って傷める部分です。内出血していたり、筋肉の連続性が失われて違和感があったりする場合には、筋断裂を起こしています。顕著な筋断裂まではいかなくても、マイクロレベルの損傷が軟部組織に起こり、炎症を起こしている可能性があるのです。
薄筋の付着部付近の肉ばなれは、重症の場合、痛みがあまりに激しくてどこが痛いのか本人もわからなくなることがあります。これは、陰部や会陰部などに近いためです。実は筆者もある朝突然股間〈こかん〉が痛くなり、病院に行くと泌尿器科に回され、副睾丸炎〈こうがんえん〉の疑いがあるとして肛門から指を突っ込んで触診されました。最終的には、内転筋群の肉ばなれと診断されたのですが…。あとで考えると、開脚ストレッチングを一生懸命やり始めて間もないころの出来事でした。


対処法のいろいろ 対処法としては、しばらくの間ストレッチングを控え、アイシングを続けることしかありません。筋肉内血腫〈けっしゅ〉の疑いがある場合にはヘパリン類似物質を含有する軟膏を、顕著な炎症がある場合はインドメタシンやケトプロフェンなどのジェルを、塗布しても効果があるようです。
最近の傾向としては、肉ばなれの治癒期間中にアミノ酸系のサプリメント、特にBCAA(分岐鎖アミノ酸)などが積極的に取られています。
質問では走るのは可能だということですが、薄筋または内転筋の単独損傷の場合には、まっすぐに走ることには支障がないケースもあり得ます。損傷が半腱様筋や半膜様筋に及んでいると、走りに影響が出るでしょう。
一番大事なのは、ストレッチをする際の安全限界を超えないように注意し、肉ばなれなどの損傷をしないことです。

 

腰痛に対する股関節の柔軟性と動き 野球部に入部した高校1年生の選手のことで相談します。入部してすぐに腰の痛みを訴えてきたので、病院を受診させたところ、第5腰椎分離症と診断されました。話を聞くと、中学2年生の春に痛む腰をかばいながら練習試合でピッチャーを務め、そのあと病院を受診したところ、疲労骨折(第5腰椎分離症)と診断されたそうです。そのときは3ヵ月の運動禁止を言い渡され、その後夏の大会に向けて頑張ったら、次には肘をコワしたことがあるそうです。腰痛には腹筋や背筋を鍛えればよいと聞いたので、今は腹筋運動、背筋運動をやらせていますが、これでまた野球ができるようになるのでしょうか?
何かよい方法があれば、アドバイスしてください。

分離症に限らず、腰痛をもっている選手のコンディショニングのポイントは、体幹の筋力と股関節の柔軟性です。筋力は、質問にもあったように、体幹の安定を目的に、腹部や腰背部のトレーニングを行います。筋力については、すでにトレーニングされているようなので、股関節の柔軟性及び動きについてお答えします。


股関節の重要性 股関節の柔軟性は、バッティングやスローイングで身体を「ねじる」際にとても重要です。本連載2月号の「ぎっくり腰」の回答でも触れていますが、野球の技術指導では、体幹の回旋動作を「腰を回す」あるいは「腰を切る」などと表現することがあります。しかし、腰を回したり切ったりしたときに主に動いているのは、腰(腰椎)ではありません。実際は股関節が回旋運動をしているのです。
したがって、股関節の柔軟性が低下していたり、使い方ができていなかったりすると、その不足分の動きを腰椎で行うことになります。しかし、腰椎は構造上「ねじる」動作に適していません。そのため、無理に「腰を回す」ことになり、それが腰痛の引き金になってしまいます。


静的ストレッチング では、実際のトレーニングについて説明します。
まず、股関節周囲の筋肉を静的にストレッチします。特に分離症がある場合には、股関節伸展の柔軟性が不十分だと腰椎が過伸展を強いられ、痛みの原因となりやすいので、入念にストレッチングを行います。


動的ストレッチング 次に、関節運動を伴う動的ストレッチングを行います。体幹の回旋に重要な、外旋と内旋のパターンを中心に行います。


回旋の動きづくり ストレッチングによって股関節の柔軟性が向上したとしても、実際のスポーツ動作において、股関節をうまく使うことができないことにはどうしようもありません。
股関節をうまく使うためには、まず第一に股関節を動かしやすいポジションを知ることです。そのポジションとは、立位で股関節を軽く屈曲した状態です。
スクワットで、立位からやや身体を沈ませた姿勢をイメージしてください。この姿勢から、下肢を動かさないで(膝を開かないで)、上肢だけを左右にねじります。このとき、大腿部の付け根(鼠径部)の部分に、上肢と下肢の分かれる感覚(窮屈な感覚)があれば、それは股関節をうまく使うことができている証拠です。
次に、この窮屈な感覚をバッティングやスローイングの「ため」の動作で確認します。また、動作中には常に股関節を動かすよう意識することも大切です。


腰痛の原因はスポーツ動作?! 腰痛を防ぐ方法は数多くあります。しかし、スポーツによる腰痛の原因は、ほとんどの場合にそのスポーツ動作にあります。競技特性を考慮して、正しい動作を身につけることによってはじめて、腰痛を予防することが可能となるのです。

 

太ももの付け根の違和感 私は陸上女子長距離選手です。疲れがたまってくると、走っているときに股関節の前の部分(太ももの付け根)の辺に違和感を覚えます。また、トレーニング終了後に膝を抱え込むようなストレッチングをすると、関節の中で何かが挟まっているような、詰まっているような感じがします。なぜ、このような感じがするのでしょうか?解消する方法はありますか?

前股関節の周囲部の筋肉や靱帯、腱になんらかの炎症が起きている場合に、質問にあるような違和感を覚えたり、関節に何かが詰まったような感じがしたりするようです。股関節の内旋にかかわる筋肉群の付着部の炎症や鼠径靱帯の損傷など、原因はいろいろと挙げられますが、一般的には寛骨(腸骨)の下前腸骨棘に付着(起始)している大腿直筋の傷害が関係しているようです。症状があまりに長引いている選手の場合に、下前腸骨棘裂離骨折を起こしていた、ということもあるそうです。


起こしやすい選手の傾向 このような症状は、陸上競技選手だけでなく、トライアスロン選手や、走り込みをする球技の選手にもみられます。傾向としては、下肢にアライメント(骨の並び)の異常を有する者に多く、

  1. やや内股
  2. 股関節がやや硬い
  3. 臀部の筋肉が張っている
  4. 土踏まずが落ちている(扁平足)

などの特徴をもっている選手に、起こりやすいようです。もちろん疲れがたまってくると、誰にでも起こり得ます。また、症状が進んで状態が悪化した場合には、どんなに積極的に治療しても痛みが取れるまでに長い時間がかかる傾向があります。こうした症状があったら、早めに診察や治療を受け、練習の量や方法を調整しましょう。


予防するにはアフターケアを 予防するためには、

  1. ふだんから股関節周辺の柔軟性を維持すること
  2. 股関節の外旋や内旋にかかわる筋肉も鍛えること
  3. フォームを矯正すること(特に外反足や外反母趾の選手)
  4. 疲労を蓄積しないためのアフターケア(ストレッチング、アイシング、マッサージなど)を励行する

などが必要です。

走り込みをする合宿を行う場合には、アフターケアが習慣化されていなければ、下肢のアラインメントが正常な選手であっても、先のような症状を引き起こしかねません。
予防において特に大事なのは、大腿直筋の硬結を起こさないようにすることです。ストレッチングがその予防手段となります。大腿部のストレッチングというと大腿屈筋群(ハムストリングス)ばかりを行いがちです。これは特に陸上競技の選手に多いようです。ハムストリングも大切ですが、大腿四頭筋のストレッチングも行いましょう。大腿四頭筋のなかでも特に、股関節と膝関節の2つの関節をまたぐ大腿直筋を伸ばすように、ストレッチングのやり方にも工夫する必要があります(このストレッチングのやり方は、別の機会に紹介します)。


ジュニア選手の注意点 10代の若い選手のなかには、女の子には「臼蓋形成不全」、男の子には「大腿骨頭すべり症」と呼ばれる股関節疾患を起こすことがあります。荷重運動を制限するなどの治療期間が必要なので、股関節に違和感を感じた場合には早めの受診をお勧めします。

 

梨状筋〈りじょうきん〉症候群の対処法 股関節を内旋すると痛むという選手への対処策にはどういうものがありますか?内旋以外の股関節の動きは痛くないと言います。ストレッチングやトレーニングの方法を教えてください。

ご質問の障害はいわゆる梨状筋症候群だと思われます。股関節の動きのなかでも特に繊細であり、かつ微力なものに内、外旋運動があります。股関節を内旋すると痛むということは、外旋筋群が短縮して硬くなっているため、その下にある坐骨〈ざこつ〉神経が圧迫されている可能性があります。このような疾患を梨状筋症候群(Piriformis syndrome)といいます。


臀部〈でんぶ〉坐骨神経周辺の解剖図 まずは複雑な臀部〈でんぶ〉坐骨神経周辺の解剖図を見てください。


腰椎椎間板ヘルニアに類似した症状 次に梨状筋症候群について触れておきます。主にスポーツによって出現する腰椎椎間板ヘルニアに類似した症状を呈する障害です。臀部痛、大腿後面痛、坐骨神経痛など、多彩な症状を発する疾患の総称です。梨状筋にタイトネスがあると、股関節に力を入れて外旋したときや、他動的に内旋させるときに痛みが発生します。特に坐骨神経を圧迫している場合は、SLR手技(仰向けになり、片方の下肢を伸展したまま挙上する)にて、症状が増強します。坐骨神経への圧迫は、他動的に股関節を外旋すると緩みます。


梨状筋はデリケートな筋肉 対処法としてはストレッチングが有用です。選手を腹臥〈ふくが〉位にして膝関節を90度に曲げ、股関節の外旋運動に対して内旋方向に抵抗をかけ、アイソメトリックに梨状筋をはじめとする股関節の外旋筋群の伸張を図ります(写真)。このストレッチングにおける内旋角度(抵抗角度)を徐々に変更すると、梨状筋はストレッチされて坐骨神経の圧迫症状も軽減していきます。非常にデリケートな筋肉なので、あまり抵抗をかけすぎないよう注意してください。

その他Other

 

アスレティック・リハビリテーションのことでお聞きしたいのですが・・・ トレーナー志望の学生です。今回はアスレティック・リハビリテーションのことでお聞きしたいのですが、今課題で足関節内反捻挫の受傷直後から処置までのことを勉強しています。
ところで、スペシャルテストではいろんなテスト法があると思うんですけど、順番なんてあるのですか?最初にMMTやってそれからストレステストなど・・・順番があるのでしょうか?それと、ストレステストは先輩から受傷直後にやらないと意味がないと言われました。
例えば、前方引き出しテストって前距腓靭帯など靭帯の損傷の程度を見るテストですよね?痛い時にそういうテストをしたら余計痛がって十分にテストができないと思うので、自分は少しアイシングさせてから行ってもいいんじゃないかと思うのですが、それは間違っているのでしょうか?
長くなりましたがご意見をお願いします!!
(19才、女性)

さて、「足関節内反捻挫の受傷直後から処置までのこと」とのことですが、テストをいつやるのか?まずアイシングなのか?ということですが、これは、評価の段階での選手の状況の程度によって変わるのではないでしょうか?ストレステストは受傷直後にやらなくても意味はあると思いますし、その前までの評価で痛みがなく、問題ないと考えられれば行ってもよいと思いますし、痛みや腫れの程度が強い場合には、そこまでの評価は必要なく、アイシング(RICE)となると思います。
順番にこだわらず、今何が必要であるか?を常に考えられる力をつけていただきたいと思います。もちろん基本は必要だと思いますが、順番を決め付けたりせず、選手の痛がり方や、練習中なのか、試合中なのか?試合のレベルや今後のスケジュール、様々な要素があると思います。そこで、早めのアイシングが必要と考えたのであれば、それでOKだと思います。

基本的には医師に診察してもらうことが前提にあります。テストを優先させるのではなく、痛がっている選手への痛みや、プレーの続行が可能かどうか?などのケアを最優先に考えて行動することが大切ではないでしょうか。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

 

お弁当のおかずについて、アドバイスください・・・ 始めまして。中学3年のバスケット野郎の母です。母として、すっごく悩んでいます。食事!好き嫌いはほぼありませんが、あまり量を食べません。筋肉質で、163cmと、チビッコです。持久力は並以上ですが、瞬発力に欠けるように思います。この先、まだまだバスケ野郎でいさせるために、特にお弁当のおかずについて、アドバイスください。
(38才、女性)

食事は、スポーツ選手にとってとても大事なことです。中学生や高校生のお母さんがその事を理解して真剣に取り組んでいただけたら、選手は本当に幸せだと思います。しかし、実際にそれを口にするのは本人なので、当の本人が理解していないとお母さんの苦労も無駄になってしまいます。 お母さんが、色々と調べられて「こうしよう」とか「こんな物を作ろう」と思ったら、その根拠を中学生の息子さんが理解し興味を持てるように、「一言」で良いので説明してあげてください。例えば「人間の筋肉はタンパク質でできているから、良質のタンパク質を食べて、良質の筋肉をつけようね・・・。」とか、「エネルギー源になる炭水化物を摂っても十分なビタミンやミネラルが一緒に入っていないと力が出ないから、しっかり野菜も食べてね・・・。」とか、「噂では、これを食べるとジャンプ力が伸びるらしいよ!」とか!

そして人間の身体は、脂や糖分が好きであることも教えてあげてください。だからお寿司だとトロが好きな人が多いし、お菓子やケーキが大好きな人が多い。でも、脂やお菓子を食べてしまうと食欲が低下してしまい、本当に必要な食事からの栄養素が摂取できなくなる危険性があります。例えば、合成甘味料が入っているスポーツドリンクや炭酸飲料を飲んでしまうと、その甘さによって満腹中枢にスイッチが入り、本来食べるべき食事に興味がなくなってしまいます。

日々ハードに練習をしていたら、動くためのエネルギー源として、また酷使した筋肉を癒し、さらに強いものとして修復していくためにタンパク質(アミノ酸)が絶対に必要です。もし、それらを摂らずにハードな練習を続けていると、身体を壊してしまいます。特に、豪快なジャンプ力(瞬発力)には、良質なタンパク質だけでなくバランスの取れた食事が必須条件です。

昔、167cmでありながら、NBAのダンクコンテストで優勝したスパーク・ウエッブスという選手がいました。踏み込みジャンプの高さは140cmを越えていたそうです。日本人は、ジャンプ力という点では可能性を秘めた民族です。現在では垂直とびで1メートルを越える人がたくさんいます。それも、バランスの取れた食事によって可能になることを本人に理解させ、お母さんがそれに協力してあげてください。息子さんだけでなく、お母さんの健闘もお祈りしています。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

柔軟性を高めるために・・・ 柔軟性を高めるために必要な期間を教えてください。
(20才、男性)

必要な期間を決定づける要素は、たくさんあります。たとえば現在のレベルも分かっていないと何ともいえない訳です。ご質問からだけでは、状況がよく分からないので一般的なお答えをします。

まずストレッチの質と量です。もしも器械体操や競技エアロビクスの選手達のように一日に2時間もストレッチをしていたら、かなり早い内に柔軟性を向上することができます。それだけの量をこなす場合に、一番気をつけなければならないのは、やり過ぎによる肉離れなどのケガです。

ストレッチの方法にも様々な違いがあります。一般にスポーツで多く取り入れられているスタティック・ストレッチは、運動前に体の準備状態を作るために行います。しかし、それを少し時間と負荷をかけて追い込めば柔軟性向上のためのメニューとして使うこともできます。

柔軟性向上のためのストレッチの代表例は、PNFストレッチやパートナー・ストレッチです。施術者とのコミュニケーションを図りながら、ケガのないようにあらゆる関節の可動域を少しずつ限界に追い込んでいきます。

次に、体質的な問題。やはり筋肉そのものが人によってかなり違いますから、同じメニューをしていても、すぐに効果が出る人もいますが、時間がかかる人もいます。ただ、普通に健康な人なら、多少の時間の差はあっても、続けていれば必ず効果は出てきます。ただし、誰もがサーカスに出れるほど極端に柔らかくなれるとは限りません。個別性の原則と言いますが、それぞれの体質によって効果の出る早さと、どこまで曲がるようになるかの限界には違いがあるのです。

最後に栄養の問題。ウォームアップの中で行われるようなのどかなストレッチではあまり気にしないのですが、柔軟性向上のためのハードなストレッチでは、若干ではありますが筋肉がミクロのレベルで痛めつけられています。それを修復しながら、筋力や柔軟性が向上していくわけですが、その際には、十分なアミノ酸とビタミンやミネラルが必要です。

以上のような要素が把握できると、柔軟性を高めるのに必要な期間が自ずと分かってきます。成功の鍵は、継続的に毎日行うことが一番だと思います。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

 

足関節を固定する目的でテーピングやバンデージを巻きます・・・ 足関節を固定する目的でテーピングやバンデージを巻きます。関節可動域が制限されると、本来正常に働く筋、特に足部・下腿の筋はどのように変化するのでしょうか?
テーピングやバンデージを巻いてパフォーマンスが落ちると考えた場合では、筋肉が働かないのか、あるいは固定に逆らって、固定しないときに比べ、より働こうとするのか…。返信お願いします。
(22才、女性)

テーピングが筋活動やパフォーマンスに及ぼす影響については諸説あります。これは、技法、テープの種類、テープを施行する部位の状態、パフォーマンステストの方法など、条件が一致しないためだと思われます。その中でも、三浦らの報告が興味深いので、紹介します。

内容は、腓骨筋の活動に注目した実験です。概要は、「テーピングによる関節安定性が腓骨筋などの筋活動を阻害しているのではないか」という仮説にもとづき、足関節に内反制限のテーピングを行い様々な動作時の筋電図をとり検討したものです。

結果は、「不安定性がある足関節において、テープありがテープなしに比べて腓骨筋の高い活動を示した」ということでした。仮説と反対の結果となったわけです。考察で三浦らは「先行研究で腓骨筋は足関節内反位で活動しにくいとこが確認されている。テーピング施行により過度の足関節内反は制限され、テープなしに比べ腓骨筋が活動しやすい位置に置かれたのではないか」と述べています。

このように、足関節に不安定性のある場合は筋活動が高まる様です。テーピングが、筋力発揮をしやすい足関節の位置に誘導した、という点でおもしろい報告だと思います。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

スポーツトレーナーを目指して1年がたちました・・・ スポーツトレーナーを目指して1年がたちました。今年は12月からのAT(日本体育協会認定アスレティックトレーナー)の試験を受ける予定で、少しずつ勉強しています。
今、筋肉の起始・停止を自分で勉強していますが、複雑で頭に入っていきません。教科書によっては書き方が違ったりして混乱しています。教科書はAT教本、身体運動の機能解剖学(医道の日本社)、新・徒手筋力検査法(協同医書出版社)、理学療法診断ガイド(文光堂)など見ながら絵を描いて筋肉を書いて勉強してみています。
全て言い回しが違うのでどう覚えればいいか悩んでいるのですが、何か効率のいい方法などありませんか?アドバイスお願いします!!
(19才、女性)

これはウチの学生も悩んでいますよ(笑)。
名称は、AT教本と身体運動の機能解剖学を軸にしてください。その他は参考にすると混乱が少なくなると思います。絵に描く方法はとてもよいですね。

覚え方は、
・起始-停止が同じ筋をまとめる。 例)鵞足に停止する筋を3つ
・スポーツ傷害でよくでる筋    例)腱板、腸脛靭帯、上腕二頭筋、テニス肘に関係する筋
などグループ化するとよいですよ。

また、解剖問題をたくさん解くと頭に入ります。基礎筆記の過去問題を参考に自分で問題をつくるとよいですよ。
頑張ってください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

 

ウォームアップのストレッチング ウォームアップのときにストレッチングをじっくり行うのはよくないと聞きましたが、本当でしょうか?

静的なストレッチングを入念に行って、いきなり競技種目の主運動(トレーニングや試合)へ移行してしまうのはよくないと思いますが、やり方を工夫することによって、入念なストレッチングがよい方向に働くこともあります。

ストレッチングには、筋をリラックスさせる効果があります。主運動の前に行うことによって、筋の余分な張りは取り除かれて、良好な筋の状態で主運動に入れるようになります。

動きを伴わず筋を伸ばした状態で、数十秒間その姿勢を保持する静的なストレッチングは、特にリラックスの効果が高く、このストレッチングを行って完全にリラックスした状態からいきなり主運動に入ると、安定した筋力の発揮が難しくなる場合もあります。

そして、ストレッチングには関節の可動域を広げる効果があります。サッカーやラグビーなど、相手とのコンタクトがあるスポーツでは、相手の力により無理な体勢になることがあるので、通常のプレーに必要な可動域に加えて、それらに対応できる可動域が必要です。また水泳では、肩周辺の柔軟性が低いと理想的なフォームで泳ぐために余分な力を用いてしまうので、通常の動きが余裕をもってできるくらいの可動域が必要だと考えられます。しかし、どの競技もストレッチングによってやみくもに可動域を増やすことにより、望ましくない影響を与える可能性が出てきます。

というのは、可動域には、能動的なもの(自力で動かすことができる可動域)と受動的なもの(外力や他人に押してもらって動くことができる可動囲)とがあり、一般的には受動的可動域のほうが、能動的可動域より大きいのです。しかし、その差とは、自力で動かすことができない範囲、自ら力の発揮をコントロールできない範囲であり、差が大きくなるということは、発揮する力がコントロールできなくてスポーツ障害を起こす危険性が高まったということであり、また、主運動に入ったときに動きに不安定な感覚をもってしまう場合もあるからです。そのため、受動的可動域と能動的可動域との差は小さいことが望まれます。

このようなことから、トレーニング前には必要以上の可動域を求めず、ウォームアップの第1段階として、競技に必要と思われる可動域の獲得を目指したストレッチング、筋の張りを取り除き、筋を良好な状態にするストレッチングを行うよう、時間、強度を個々に考えることをお勧めします。ストレッチングで必要以上の可動域を求め、完全に筋がリラックスした状態でいきなり主運動に入るから、「ストレッチングはよくない」ということになってしまうのです。

では、ウォームアップ前にはどのようにストレッチングを行ったらよいのでしょうか。ウォームアップではまず、静的なストレッチングを行い、そのあと筋力を発揮させながら行う動的なストレッチングを行って、筋の反応を高めて身体の動きをよくすることをお勧めします。サッカーで行われているブラジル体操や、水泳の選手が泳ぐ前に腕を大きく回す動作は、一種の動的ストレッチングと考えてよいでしょう。

そして、静的、動的なストレッチングに加えて、バランスボールや簡単なレジスタンストレーニングなどを取り入れて筋肉に刺激を入れ、さらにジョギングなどの一般的な運動を低強度から始めて徐々に強度や複雑性を高めていく、というように、筋力を安定して発揮して運動できるようにウォームアップを組み立てます。このようにすると、ウォームアップ時のストレッチングの効果を高めることができると考えられます。

 

クレアチンって効果があるの? トレーニングをしている人はクレアチンをとるとよいそうですが、その効果と、摂取方法を教えてください。

クレアチンとは動物性食品(肉や魚など)に含まれる物質です。アミノ酸を元に肝臓や膵臓、腎臓で作られ、無酸素運動に必要なエネルギー物質のATP(アデノシン3リン酸)を、筋肉内で迅速に合成するためのエネルギーを供給する働きがあります。

筋肉でパワーが発揮されるときに必要なエネルギーはATPがADP(アデノシン2リン酸)になる過程で供給されれます。そして、クレアチンリン酸がADPにリン酸を与え、再びATPを再合成して、より強いパワーを長く発揮させようとします。クレアチンが、そのクレアチンリン酸の元となるものなのです。

クレアチンを摂取すると、筋肉内のクレアチンリン酸の貯蔵量が20~30%増すという研究があります。ハイパワーの運動が維持されることによって、従来よりも運動強度の高いトレーニングを行うことができ、結果的にそれが筋力アップ、筋量の増大、無酸素運動の持続時間延長へとつながります。つまり、瞬発的なエネルギー力を高め、筋肉を増やし、耐久力を向上させる効果があるのです。また、クレアチンの量が増えるとエネルギーがより効率よく供給されるので、運動中は乳酸などの疲労物質の発生を抑制する方向に働き、疲労の遅延や疲労回復にも効果があるといわれています。

筋肉内のクレアチン濃度を高めるためは、最初の4~5日間、食後やトレーニング前後に1回4~5gを1日4~5回(約20g)とり、それ以降は1日に2~4gとる必要があるといわれています。これはクレアチンローディングと呼ばれる、最もポピュラーなクレアチン摂取方法です。ジュースなど、炭水化物を含む飲み物と一緒にとると、インシュリンのレベルが上がって体内へ取り込みやすくなるといわれています。
クレアチンはもともと食品の中に含まれるものなので、ドーピングでもなく、副作用もないといわれており、安全なサプリメントです。しかし、ほかのサプリメントと同様に、適切なトレーニング、食生活のもとに使われるべきであり、サプリメントだけに頼ることはよくありません。十分にトレーニングを積んでいない人がクレアチンをとって瞬発的な運動をすると、肉離れを起こす危険が高いという意見もあります。適切なトレーニングと食生活のもとでお使いください。

 

テープの使用量を減らすコツ テーピングでテープを使うのは仕方がないことですが、テープ代が毎月かなりかかって困っています。テープの量が少なくても効果的なテーピングの行い方など、テープの使用量を減らすコツがあったら教えてください。

テープの使用量を減らすやり方として、(1)装具を使う、(2)弾性包帯・自着式バンデージを用いる、(3)テープと装具、あるいは弾性包帯・自着式バンデージを併用する、(4)筋力トレーニングを行う、などがあります。ここでは、テーピングをする機会が多いと思われる膝関節と足関節を中心に、このテーマについてお話しします。


装具を使う 膝関節装具は、内側側副靱帯などの靱帯損傷用と、半月板損傷などの外傷・障害用とに大別できます。両者とも傷害の部位や程度に応じてさまざまなタイプの装具があります。受診している病院と相談して、状態に合った装具を選ぶことがポイントです(写真1)。
 足関節装具は、テーピングと同様に、内反捻挫予防あるいは再発予防用として広く普及しています。編み上げタイプとハードタイプとがあります。足関節の前方への緩みには編み上げタイプ、底屈や背屈を制限したくない場合はハードタイプ(写真2)と、それぞれ特徴があります。
 注意点として、柔道やラグビーなど試合中の着用が禁止されている競技があります。これは装具によってほかの選手を傷つけてしまう可能性があるためです。装具を使用するときは、ルールを確認する必要があります。


弾性包帯・自着式バンデージを使う 弾性包帯は伸縮性のある包帯のことであり、自着式バンデージはテープ同士がくっつき、繰り返しの使用が可能なテープです。装具に比べて固定力は弱くなりますが、足関節の内反捻挫の予防に有効です。最近は緩みにくい自着式バンデージが市販されています。巻き方は、弾性包帯の場合はフィギュアエイト、自着式バンデージの場合はヒールロックとフィギュアエイトを組み合わせた方法を用いるとよいでしょう(図、自着式バンデージは日本シグマックス(株)TEL03-5326-3220から販売されています)。


テープと、装具あるいは弾性包帯・自着式バンデージを併用する 足関節のテーピングと併用する場合に、スターアップまでテープで行い、その後は自着式バンデージでラッピングする、というような方法です。膝関節のテーピングも同様に行えばよいでしょう。特に、最後のラッピングに弾性包帯や自着式バンデージを使えば、高価なエラスティックテープを節約することができるので、経済的です。これに限らずさまざな併用パターンがあると思います。工夫をしてみてください。


筋力トレーニングをする 靱帯と並んで関節を安定させるものは筋肉です。すぐに効果は期待できませんが、関節周囲の筋肉をトレーニングすることによって、関節の安定が高まり、テープの量を減らせたり、テープからサポーターに代えられたりということが期待できます。

 

マッサージのポイント マッサージにはどんな効果がありますか。また、行うときに注意すべきことはありますか?

マッサージは、スポーツ選手のコンディション調整の手段として、一般的になっています。


マッサージの主な効果

  1. 新陳代謝を促す
    マッサージにより、血液やリンパの循環を促し、その結果、老廃物や疲労物質を排除し、代わって新鮮な酸素や栄養素が組織へ運ばれ、疲労が回復します。
  2. 神経の機能を高める
    「軽い刺激は神経の機能を高め、強い刺激は神経の機能を低下させる」という働きから、マッサージによる適切な刺激は、神経系の機能を高めることが可能です。特にスポーツ活動においては、神経-筋の機能に作用し、筋肉の働きを向上させることができます。
  3. リラクゼーション
    心地よい、優しいマッサージは精神的な安定を促し、リラクゼーションの効果があります。

マッサージのポイント  マッサージは、行う状況(試合前と後など)に応じて、手技や方法が違ってきます。間違った方法をとると、パフォーマンスの低下を招くので正しい知識を用いて、コンディション調整の手段としてください。

  1. 試合・練習直前のマッサージ
    ・ウォームアップの補助として、全身の筋肉や神経の調整を目的に行う。
    ・手技は、軽擦法や振せん法を中心に、軽めに行う。
    ・時間は、局所3~5分、全身10~15分。長時間行うと筋肉が緩みすぎてしまうので注意する。
  2. 試合・練習中のマッサージ
    ・ハーフタイムやベンチで、短時間に疲労回復の目的で行う。
    ・行い方は、直前のマッサージと同じ。
    ・急性外傷の場合は、マッサージを行ってはならない。
  3. 試合・練習後のマッサージ
    ・疲労回復、障害予防を目的として行う。
    ・手技の制限はないが、精神的にもリラックスするように気持ちよい手技を用いる。
    ・時間は、全身30~60分。
    ・種目特性を考慮して、疲労しやすい部位は特にていねいに行う。
  4. マッサージを行ってはいけない場合
    ・受傷直後、発熱時、皮膚の異常がある場合、及び飲酒時。

マッサージの主な手技  主な手技について説明します。

  1. 軽擦法~さする
    対象となる部位を、末梢(身体の先端)から中枢(心臓部)へ向かって「さする」手技です。
    手を皮膚に密着させ、軽く圧をかけて行うのがポイントです。マッサージは「軽擦法に始まり軽擦法に終わる」といわれ、最も基本となる手技です。手のひらで行う手掌軽擦法のほか、母指軽擦法、手根軽擦法などがあります。
  2. 揉捏〈じゅうねつ〉法~もむ
    筋肉のコリをほぐしていくのがこの手技です。筋の走行に沿って行います。
    大きな筋肉には、筋肉をつかむようにして揉んでいく揉捏法、小さい筋肉や腱には、母指と示指(人差し指)ではさんで揉んでいく二指揉捏法などがあります。
  3. 叩打〈こうだ〉法~叩く
    対象となる部位を、リズムよく軽く叩く手技です。手指を軽く握り小指側で行う手掌叩打法(肩を叩くときの方法です)、合掌して小指側で叩いていく合掌叩打法などがあります。
  4. 圧迫法~押す
    対象となる部位を、手掌や母指で押す手技。経穴〈けいけつ〉(ツボ)に沿って行うと効果的です。持続圧迫法と間欠圧迫法とがあり、持続圧迫法は4秒ほど続けて圧迫します。間欠圧迫法は圧迫と弛緩を繰り返します。
  5. 伸展法~伸ばす
    ストレッチングのことです。
  6. 振せん法~震わせる
    対象となる部位を、リズムよく細かく震わせます。手や足を引っ張りながら震わせる牽引振せん法などの手技があります。
 

減量を行う際の注意点 体重が増えすぎたため、コーチに減量するように言われました。減量するときに注意するポイントを教えてください。

減量する際にまず気をつけなければいけないのは、体重だけで判断しないことです。減量する場合には、除脂肪体重(筋や骨など)を減らさないようにしなければなりません。筋肉はアスリートにとってエンジンみたいなものです。よりパフォーマンスをアップするには、エンジンを小さくするわけにはいかないので、減量によってアスリートが減らすのが許されるのは体脂肪だけです。したがって、減量に当たってはまず、体脂肪が減っているかどうかをチェックするために、体脂肪率が測定できる機器を準備するとよいでしょう。


理想の減量 体重は減ったけど除脂肪体重も減って脂肪量は変わっていない場合には、筋量が減っていることになります(図1)。除脂肪体重は減らさないで、体重、体脂肪量が落ちるようなパターン(図2)が理想的です。


間食をチェックしよう 脂肪が増えて体重が重くなる原因は「消費カロリー≦摂取カロリー」の状態が続くことです。消費カロリーは、トレーニングや日常の生活での活動量も含みます。また摂取カロリーは、お菓子や清涼飲料水なども含めて口に入れるすべての食べ物の合計です。この質問をされた人は日常的にスポーツをしていて、運動量がかなりある人だと思われますので、消費カロリーが少ないというよりもむしろ、摂取カロリーが多すぎるのではないかと思います。見落としがちなのが間食です。アメを1日中なめていたり、ジュースを何本も飲んだり、またお菓子を食べ過ぎたりしていると、思いのほか多くのエネルギーを摂取している場合があります。まずは間食をチェックしてみてください。


栄養バランスを崩さない 次に食事の内容ですが、栄養のバランスが崩れないように気をつけてください。食事の量を減らすと、摂取する栄養素の種類や量が減ります。よくごはんだけを食べないとか、肉を一切食べないとか、朝食を抜くとかというように、何か1つだけを集中して制限して減らしている人をみかけます。しかし、そのようなやり方をすると栄養のバランスが崩れてしまいます。
食事内容をみてみると、一般的にはやはり脂肪分の摂取過多の人が多いようです。かといって脂肪分をまったく取らないようにするのではなく、脂肪分も必要な栄養素なので、その割合を減らすような食事にする必要があります。
また、減量時にはミネラルやビタミンなどがどうしても不足してしまいがちです。これらの栄養素に関しては、サプリメントなどを利用するのもよいと思います。減量をするときこそ栄養士に食事分析をしてもらい、栄養のバランスをチェックすることが必要です。


必要以上にやせない そして、特別な場合を除き、急激な減量を望まないことです。急激に体重を減らすために極端な食事制限をすることになり、そのような状態でトレーニングを続けると疲労がとれなくなったり、体調を崩してしまったりする場合があります。減量は月に1~2kgを目安にしてください。この程度の減量であれば、必要な栄養素もある程度は確保することができます。
減量については、注意したい年代があります。高校生や中学生の運動部の女子選手は、彼女たちは「痩せたい」という願望が特に強く、必要以上に痩せようとしがちです。必要な栄養素が確保できるように、コーチとよく相談して減量をしてほしいと思います。


オフの食事に気をつける オフの期間に運動量が減っているのに食べすぎてしまい、体重が増え、オフ明けに焦って急激な減量を行う人も少なくないようです。オフ明けは身体が動かず、体力的にもつらい時期です。また、大切な身体を作る期間でもあります。そのような時期に食事を減らすと、身体により多くのストレスがかかってしまいます。オフの時期とはいえ、食事の管理も必要です。
「食べる」ことは一つの文化であり、食べることが大好きな人もたくさんいますが、食欲のままに食べすぎてしまうと、アスリートの場合には競技力が低下したり、減量で苦しんだりと、あとで大変なことになってしまいます。後悔しない食べ方をするようにしましょう。

 

子どもとスポーツと発育・発達 小学2年生の男の子の保護者です。息子は地域のサッカークラブに所属しており、毎日のようにサッカーをしていますが、小さいうちはいろいろなスポーツをやらせたほうがよいと聞きました。本当でしょうか?

その通りです。子どものうちにいろいろなスポーツを行うことは、それだけ身体にさまざまな動きや運動を習得させることになります。実はそれがその子どもが将来身体的な能力を開花させるときの貴重な財産になり、大人になってからある1つのスポーツに集中してより高いレベルを狙おうとするときに、非常に役に立つと考えられます。


いろいろなスポーツ種目を行うようにしよう できれば年齢によってスポーツ種目を変えるとより効果的ですが、子どもにいやいややらせるとスポーツ自体が嫌いになる恐れもあります。スポーツでは基本的には楽しむことが大切です。現在のスポーツを行っているなかで、別のスポーツの面白さをうまく伝える機会があれば、積極的に参加させるようにしてみてください。「基本は今楽しいサッカー。でもたまに別のものも楽しんでみよう!」という雰囲気づくりをしてみてはいかがでしょうか。
また、1つのスポーツを続けたとしても、そのスポーツの指導者が、さまざまなスポーツを行わせることの大切さを理解してトレーニングメニューを作成し、子どもたちにそれを実践させることにより、その子どもの身体的な能力を開花させることができると考えられます。


発育・発達に合わせて運動を取り入れよう 子どもの成長の過程に合わせた運動を行わせると上達も早く、個々の能力を高いレベルで保持することができます。
図は、器官系統別・運動要素別に年間の発達量を示したものです。
神経系は、技術や動作の習得に関係が深く、「器用な身のこなし」は子どものころの運動経験が非常に大切です。自転車に乗れるようになると、何年間も乗っていなくても、いつでもスムーズに乗れることからもわかるように、神経系は一度その経路ができあがるとなかなか消えません。
神経系は生まれてから5歳ころまでに80%の成長を遂げ、12歳でほぼ100%になります。幼少期にさまざまな刺激を与えて神経回路を張り巡らせること、すなわちさまざな様式の運動を行って習得させることはとても大切なことです。1つのことに飽きやすい時期ですから、鬼ごっこや木登り、ボールゲームや体操など、遊びの要素を多く含んだものを取り入れるとよいと思います。
呼吸・循環・持久系は粘り強さやスタミナづくりに関係が深く、12歳前後に最高の伸び方を示します。この時期に持久走などのトレーニングを少しずつ取り入れることは効果的です。
そして、筋力系は16歳前後が最高の伸びを示しています。瞬発力を必要とするスポーツは、この時期が大切です。少しずつウェイト・トレーニングなどを取り入れるのもよいと思います。また、身長が大きく伸びるこの時期に特有のケガがあります。それらを防止するために、日常のケア(ストレッチングやアイシング)などを十分に行えるような指導も必要です。


スポーツを楽しもう 子どもの発育・発達は個人差が大きく、個人差を見極めることはとても重要なことですが、子どもの指導をする際には、このようなデータを参考にすると子どもたちにより運動を楽しませることができ、将来トップスポーツを目指したときに有利に働くと考えられます。
小さいころには、1つのスポーツに集中して厳しい専門的なトレーニングを行うのではなく、将来を見越して多少遠回りするくらいのつもりで、スポーツを楽しませてあげてください。

 

足関節のテーピング 私の所属するサッカーチームの選手に足首の捻挫をする選手が多くいます。テーピングを利用しようと思いますが、基本的な注意事項やサッカー特有の注意事項などありましたら教えてください。

まず、足首の捻挫についてお話しします。足首の捻挫には種類がいくつかありますが、ほとんどの場合が内反捻挫です。サッカー選手の場合も内反捻挫が多いようです。


足首の捻挫について 内反捻挫とは、足の裏が内側を向いて、外踝(外くるぶし)の下の靭帯を損傷したものをいいます。あまりに激しく内反すると、内踝(内くるぶし)がすぐ下の距骨と激しくぶつかって、内側にも強い痛みが出ることがあります。内側の痛みは外側の腫れや痛みが少し落ち着いてから現れることもあれば、最初から外側以上に痛むことがあります。

 内反捻挫のほうが外反捻挫(足の裏が外側に向いて靭帯を損傷した外傷)より多いのは、足関節構造上の特徴のためであり、外踝より内踝のほうが高い位置にあることが関連しています。受症直後は、RICE(安静、寒冷、圧迫、高挙)の処置をします。

(1)腫脹、(2)発熱、(3)発赤、(4)変形、(5)強度の痛みがあるときには必ず医師の診察を受けて下さい。


テーピングについて ケガをするとすぐにテーピングするという傾向がありますが、テーピングは万能ではありません。上記の5つの徴候がある場合は治療が先決であり、テーピングはしません。また、原因不明で機能の回復が遅れているときも、テーピングをするのは注意が必要です。

テーピングがその効果を発揮するのは、足関節の保護や一度経験した足関節捻挫の再発防止を目的とした場合です。テーピングをする際に留意したい点は、ケガに関係する動きを制限し、かつパフォーマンスに影響を与える動きは制限しないことです。

例えば、底屈を(つま先を上に向ける動き)強く制限するような足関節のテーピングは、サッカー選手の場合ボールを蹴る動作の邪魔になります。内反を制限しながら底屈と背屈(つま先)の動きは生かすよう、できるだけ足関節の周りにだけテープを巻いて、足部にはテープをあまりかけないにします。


テーピングの手順 まず踵から10~15cm上方にアンカーテープを巻きます。アンカーテープはテープが外れないようにするための土台となるテープです。一般に2~3本巻きます。

アンカーテープの内側から踵の下を通して外側にスターアップを巻きます。内反・外反の動きを制限するテープです。体重や動きの激しさに合わせて本数を加減します。普通は4~6本です。踵の部分を過ぎたらテープを少し引っ張りながら貼り付けることによって、内反制限の加減をします。強く引き上げればそれだけ内反の制限が強くなります。

ヒールロックは、踵を固定することによって足関節を安定させますが、足底を通る際には、内側から外側にテープが走行するようにして、内反制限を補強することができます。ラージヒールロックとスモールヒールロックを組み合わせて用います。

フィルインでスターアップやヒールロック全体をカバーします。
皮膚とテープとの隙間をなくすなくすために行ないます。最後に強い固定力を持つフィギャーエイトで仕上げます。この手順で巻くと、足部にかかるテープの量が少なく、底背屈を制限しません。


アフターケア テーピングを巻いて練習したあとは、必ずアイシングをしましょう。また、リハビリテーションが必要な選手は、足関節や足部、足趾の細かな動きなどもしっかりと行なってください。足関節の安定性を回復するためのバランス系のコンディショニングも十分に行ないます。

内反捻挫をしたあとあまりに早く競技復帰すると、足関節に前後の緩みが出ることもあり要注意です。足関節の前後の緩みは骨棘形成の原因になりかねません。


補足 サッカーは運動量も運動時間も長いため、テーピングはどんどん緩んでしまいます。それでも何もしないよりは足関節を保護することができるので、利用している選手もいるようです。アンクルブレースを併用することによって保護を強化することもできます。

サッカーと同様に芝生のグラウンドで激しく動くアメリカンフットボールなどでは、通常のテーピングのあとに、最後にシューズの上からもテーピングを巻いて補強する「オーバー・ザ・シューズ」と呼ばれるテクニックも好まれているようです。


現場の声 プロの世界でも内反捻挫は起こりますが、少しずつテーピングを外していく方向でリハビリテーションを行なうそうです。また、足関節だけでなく、ショパール関節やリスフラン関節など、本来ほとんど動きのない足の甲の関節が痛むことがあるのがサッカーの特徴だそうです。そのような場合も、まずはテーピングで固定してリハビリテーションを行い、徐々にテーピングの量を少なくして、最後には完全にテーピングをなくす方向に向かうそうです。

 

冬に持久的なランニングをするのはなぜ? 高校でソフトボールを指導していますが、冬になると、慣例で持久的なトレーニングを高頻度で行っています(週4回5~10kmランニングほか)。ほかの球技系スポーツや柔剣道でもその傾向がありますが、冬に持久的なトレーニングは必要なのでしょうか?

冬に持久的なトレーニングを行う理由はいくつか考えられます。しかし、トレーニング種目は、監督・コーチが選手・チームの現状を把握して、競技特性や戦術などとともに作成するトレーニング計画のなかに位置づけられているものなので、唯一これだ、という理由は述べにくいものなのです。


持久的トレーニングをする理由 例えば、高校生のメインの大会は、ウインタースポーツを除くほとんどの競技で夏のインターハイになるでしょう。一般的なトレーニング計画では、夏のインターハイに向けて春先から少しずつトレーニングの量や強度を上げていくことになり、冬は身体能力の基礎的な部分を養う時期になるために、持久的なトレーニングが行われているのだと思います。
 次に、冬は寒さのために身体が思うように動きません。身体が動かない状態のまま、強度が高く、瞬発的で複雑な動きを多く取り入れると、ケガをする可能性が高くなります。しかし、持久的なトレーニングを取り入れることによって、身体が温まって動くようになり、ケガの危険性は減ると思われます。また、冬は日が暮れるのが早く、屋外で行う球技などでは夕方になるとボールが見にくくなります。見えにくい状況でボールを使うとケガの危険性が高くなるので、冬の夕方からのトレーニングではボールを使わない基礎的な体力トレーニングが主になると考えられます。
 競技成績を上げるためには、より強度や質の高いトレーニングを行わなければなりません。しかし、基礎的な身体能力がなければ、その強度や、質の高いトレーニングには耐えられません。夏の暑い時期に集中してトレーニングや試合に臨む体力などは、非常に重要だと思います。この時期に、持久的なトレーニングに限らず、筋力や柔軟性など基礎的な身体能力を向上させるためのトレーニングを取り入れることは大切です。


例えばランニングの量 この時期に持久的なトレーニングがどの程度必要であるかは、競技の特性やチームの戦術によって変わりますし、現在の選手の能力などによっても異なります。一概にはいえませんが、サッカーやラグビー、バスケットボールなど、持久的な体力が重要な位置を占めている競技では多く取り入れる必要があります。野球やソフトボールなどでは、ポジションによっては持久的な体力よりも、筋力や柔軟性のほうが重要な選手もいるので、サッカーなどに比べれば持久的なトレーニングは少なめで、それよりも筋力や柔軟性のトレーニングを多めに取り入れたほうがよいでしょう。
また、今までランニングをしていなかった選手がいきなり週4回、1回に5~10kmも走ると、オーバーユースによる障害が起こる可能性があります。ソフトボールの練習をするときのシューズをそのまま使うのではなく、ランニング用のシューズに履き替えたり、ランニング後のストレッチングを多めに入れたり、頻度や距離を再度考慮したりしてみてください。

 

冬のウォームアップの工夫とは? 冬は身体が温まるのに時間がかかります。いつもより長くウォームアップを行ったほうがよいのでしょうか。効率的なウォームアップの方法を教えてください。

この質問には、ウォームアップの生理的な効果や、具体的な方法はすでに理解されているものとしてお答えします。


個人競技 冬になると寒くなるので、当然、身体が温まるまでに時間がかかります。そのため夏季よりも時間をかけてウォームアップを行いましょう。個人競技では、自分でウォームアップのメニューを組み立てられるので、種目の特異性に合わせて工夫をしましょう。例えば、瞬発力が必要な種目と柔軟性がメインの種目とでは、暖気運転をしておくべき筋肉やその内容が違ってきます。個人の特徴(冷え性とか平熱が高いとか)と種目の特異性の両方を念頭において、適切なさじ加減をしましょう。その際に、屋外のスポーツであれば風を通さないウインドブレーカーを着たり、保温力の高いアンダーウエアを着たりという工夫も必要です。屋内でも暖房の設備がない場合には同様にします。


チームスポーツ チームスポーツでは、チーム全体で同じウォームアップを強制される場合があります。温まりやすい人もそうでない人も同じメニューでは、激しい運動に向けて身体を十分に準備できない人が出てきます。温まりにくい人はレッグウォーマーやアンダータイツなどの衣類で工夫したり、スポーツ用の軟膏や、カイロ類、ホットパックなどを利用したり、個人的に早めにウォームアップを開始したりというように、実施可能な範囲内で工夫をする必要があります。


体調・環境チェック また、日々変化する体調や環境なども注意したい点です。内的要因の体調は、主観的なものなので、本人には明白でも指導者にはわかりにくいものです。冬は空気が乾燥しているためにノドを痛めたり、カゼを引きやすくなったりと、体調を崩しやすいもの。食事の内容や睡眠時間によっても身体の状態はかなり違ってきます。そのため体調を考慮したウォームアップが必要です。
 外的要因の環境も、モニターしましょう。日々の気温、湿度、風などの気候条件はもちろん、合宿や遠征に出かけるとすべての環境条件が変わってきます。変化する環境のなかでも、ケガなく最高のパフォーマンスを引き出せるウォームアップをするためには適宜、さじ加減をしなければなりません。

 

日々の地道な努力が将来につながる ケガ防止のほかに、トップレベルの選手たちはトレーニングの効果を挙げるために、どのようなことをしていますか?

あまり難しいことは行っていません。ストレッチングや補強運動といわれる腹筋や背筋などが中心です。大切なのは、これらを継続して行うことです。
私が所属している、実業団のNIDEKトライアスロンチームの選手たちが行っているメニューを紹介します。

トレーニングは午前中にバイク、ラン、午後にスイムというように、だいたい1日に2回行います。その2回のトレーニングの前後にストレッチングをはさみ、1日計4回行っています。ストレッチングはトレーニング開始30分くらい前に各自で始めます。また、トレーニング終了後は全体で行う場合もありますが、だいたい各自で行っています。そのなかで私が個々の選手にアドバイスするようにしています。