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はじめに
これを読めばスポーツ傷害の全てが分かる!
さまざまな症例及びケアの方法についての解説書です。

コンパートメント症候群(Compartment Syndrome)
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コンパートメント症候群(Compartment Syndrome)

はじめに
 コンパートメント症候群とは、スポーツや交通事故などによる打撲、骨折、脱臼などをきっかけに、それによる出血などで組織内圧が上昇して、細動脈の血行障害を引き起こし、筋腱神経組織が壊死〈えし〉に陥る障害です。いったん組織が壊死に陥ると、機能障害は永久的になるため初期の迅速な判断が重要です。特に下腿に好発します(写真1、2)。この部位は筋膜などで4つの小さい区域に区画(コンパートメント、図)されているため、内圧が上昇しやすいのです。


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解剖
 下腿のコンパートメントは強い筋膜によって、4区画@前方、A側方、B浅後方、C深後方に分けられています。@前方には前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋が存在し、A側方は長・短腓骨筋、B浅後方は腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、C深後方は後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、から成り立っています。
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症状
 各部位での疼痛、腫脹〈しゅちょう〉、圧痛、硬結(しこり)、運動時痛、コンパートメント内にある神経麻痺による知覚麻痺、他動的運動障害、他動的運動時痛を認めます。
 @前方コンパートメント障害は最も頻度が高く、疼痛・腫脹・圧痛は下腿前外側にあり、深腓骨神経領域の知覚障害(第1、2足趾間)、筋力低下は足関節背屈(前脛骨筋、趾伸筋)にあり、他動的運動時痛は足関節と足趾の底屈時に存在します。
 A側方コンパートメントでは圧痛は外側にあり、浅腓骨神経領域(下腿外側)の知覚障害、足関節外返し(長短腓骨)で筋力低下、足関節の内返しで他動的運動時痛、が出現します。
 B浅後方コンパートメントでは圧痛は後方(ふくらはぎ)にあり、腓腹神経領域の知覚障害、足関節の底屈(腓腹筋、ヒラメ筋)筋力低下、他動的足関節の背屈時痛があります。
 C深後方コンパートメントでは圧痛は後方(下腿内側)にあり、脛骨神経領域(足底内側)の知覚障害が見られ、足関節の後脛骨筋、足趾伸筋筋力低下、足趾の他動的背屈時痛があります。

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診断
 内圧の測定は、血圧計や中心静脈圧測定方法を用いた簡便なneedle manometer法で、針を各コンパートメントに刺して計測します。そして30mmHg以上は本症とみなします。レントゲン検査では原因となる骨折や脱臼の有無を確認できます。MRIでは血腫の有無を確認できます。
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好発スポーツ
 急性例ではスキー、ラグビー、バスケットボールに、また慢性例では陸上長距離、サッカーなどに好発します。
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治療
 急激な疼痛や腫脹、変形がある場合は直ちに医療機関に搬送しましょう。応急的にはRICE処置を行います。上記コンパートメント症候群の症状に、骨折などの原因を把握して対処します(骨折の整復など)。内圧が50mmHg以上の場合は手術適応で、30mmHg以上が数時間経過する場合はコンパートメントの筋膜切開術(内圧を低下させる)を考慮します。切開した皮膚、筋膜は開放のままにしておきます。
 慢性例では前脛骨筋や腓腹筋、腓骨筋などのストレッチを含めた練習前後の管理を十分にして、エキセントリックな筋力訓練は避け、コンセントリック筋収縮筋力トレーニングを中心に行います。術後は、約1ヵ月でランニング復帰をメドとします。
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(林光俊)
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