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さまざまな症例及びケアの方法についての解説書です。

肩鎖関節脱臼(Acromio―claviclar joint dislocation)鎖骨骨折(clavicle fracture)
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 肩鎖関節脱臼や鎖骨骨折はラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、柔道、レスリング、相撲などのコンタクトスポーツや自転車競技(競輪)、スキー、オートバイの転倒などによって発生します。紙幅に限りがあるため、メディカル編では肩鎖関節脱臼を中心に述べていきましょう。

原因は転倒時に肩を直接ぶつけたり、肘から転倒したりして、その衝撃が肩への介達外力として作用し、関節が破綻して脱臼します。
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肩鎖関節は、鎖骨遠位端と肩甲骨の肩峰とをつなぐ平面的な関節です。
 肩鎖関節の安定性は、関節包以外には、肩峰と鎖骨とをつなぐ肩鎖靱帯と烏口突起と鎖骨間の烏口鎖骨靱帯によって守られていて、関節内には半月板様のディスクが存在します。
 肩鎖関節の損傷(脱臼)は3型(tossy)に分けられ、Grade1:靱帯の軽度の損傷のみで捻挫と同様、明らかな関節のずれはない(写真1)。Grade2:肩鎖靱帯の損傷があり、亜脱臼位 を呈する。Grade3:肩鎖靱帯損傷に烏口鎖骨靱帯の損傷が加わり、完全脱臼位を呈する(写真2)。脱臼は単純レントゲンで明らかとなりますが、ウェイトを持ってのストレスレントゲンでより明瞭となります。
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受傷時は肩鎖関節部の疼痛や運動時痛、鎖骨遠位端の上方突出と、圧迫にて動揺性が出現します。陳旧化した場合、肩の挙上に際して疼痛や脱力感、違和感を訴えますが、脱臼位でもさほど疼痛や機能障害がなく、活動できる症例とに分かれます。
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Grade1、2は保存療法が原則で、2〜3週間の三角布や下方に圧迫固定を行います。下肢運動のみならず、(特にオーバースロー動作を行うスポーツマン以外では)上肢の訓練も早期から可能です。肩関節の可動は屈曲、90度までとし、肩鎖関節の負担を軽減します。その後、ランニング、エアロバイクを許可します。
 Grade3では保存的または手術の適応となります。手術は将来的にも活発な運動を行う選手の完全脱臼例が適応で、脱臼を整復して靱帯を再建し、鋼線などで固定します。競技復帰には2〜3ヵ月を要します。
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鎖骨骨折はスポーツ外傷では頻度が高く、受傷原因は肩鎖関節脱臼とほぼ同様です。肩前面の鎖骨中央部の圧痛、腫張、変形(写真3)を呈し、肩の挙上に際しては激痛が生じます。
 治療は8字帯(約6〜8週間)を用いた保存療法が原則ですが、早期復帰を望む競輪選手などでは手術的に整復固定を行います。
 固定除去後のリハビリテーションは、肩鎖関節脱臼に準じます。競技復帰には3〜4ヵ月を要します。
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(林光俊)
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