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これを読めばスポーツ傷害の全てが分かる!
さまざまな症例及びケアの方法についての解説書です。
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メディカル編
トレーナー編
ジャンパー膝とは名前が示すごとく、バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を頻繁に行ったり、サッカーのキック動作やダッシュなどの走る動作を繰り返したりするスポーツに多くみられる、オーバーユースに起因する膝のスポーツ障害です。
大腿四頭筋の柔軟性低下が要因の1つに挙げられます。特に成長期の長身選手は、骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、相対的筋短縮(筋肉が硬い)状態を招いた結果、そのストレスが末梢の膝蓋骨周辺に蓄積するために起こる慢性・疲労性障害です。
ジャンプやダッシュなどによる膝関節の屈伸動作を頻繁に、かつ長時間にわたって行う場合、膝伸展機構(大腿四頭筋が引っ張られることで膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨結節にまで牽引力が加わる)に過度な牽引力が繰り返し加わることで、膝蓋骨周辺に微細損傷を引き起こします(図)。病態は腱実質部に出血、浮腫、ムコイド変性(結合組織の粘液変性)、フィブリノイド変性(線維素様のものが組織に沈着して組織傷害や炎症を引き起こす)などの変化をきたし、微少断裂や、最重症例ではまれに完全断裂に至ります。
12〜20歳。特に10代の男性に多い。
罹患側に左右差はありませんが、チェックにて疼痛を訴えた選手の3分の1は両側例でした。そのため、片側に痛みを感じた場合でも、反対側の管理も重要です。
バレーボールナショナルチームのメディカルチェックにて、108名中35名が痛みを訴え、罹患率は32.4%に及びました。
運動時に発生する膝前面の疼痛と圧痛(写真1)、局所の熱感、腫脹を伴います。重要な所見として、腹ばいにして膝を曲げると、大腿前面の突っ張ったような疼痛から逃れるために尻上がり現象(写真2)が出現します。
膝蓋骨下極から膝蓋腱付着部(約7割)、膝蓋骨上極から大腿四頭筋腱付着部(約2割)、膝蓋腱中央部から脛骨結節付着部(約1割)です(「
病理・解剖
」図)。
疼痛の程度によって治療が異なるため、病期を4段階に分けます。最近では予防、再発防止用に装具の使用が勧められています。
Phase1
運動後に疼痛が生じる場合は、大腿前面のストレッチと局所の練習後の
アイシング
を徹底する。
サポーター装具
をつける。
Phase2
運動前後に疼痛が現れる場合は、上記に加えてジャンプ動作の休止、膝と股関節を中心とした下肢の運動療法と局所のアイシングを行う。
Phase3
運動に支障をきたす疼痛では、月単位での運動休止と下肢の筋肉のバランス改善を目的としたストレッチングを行い、疼痛が消失してからトレーニングを再開する。
Phase4
断裂例では縫合手術が必要である。
全日本バレーボールチームのメディカルチェックを行った結果、腱の形態は、膝蓋骨下極を中心に全例肥厚像(健常例は3〜4の均一な帯状低信号)を呈しました。なかでも膝蓋骨下極で平均8.4(健常比227%)と最も太く、中間部で5.3(123%)、脛骨結節部で4.9(113%)でした(写真3)。
オスグッド病…主に10〜15歳の男子に起こる脛骨結節部の骨化障害です。
ジャンパー膝は急性外傷ではないために運動指導者や選手の障害に対する知識が乏しく、大半の選手は発症初期に医療機関を受診していません。治療を怠ると慢性化の原因にもなりますので、運動指導者はこの疾患について正しく理解をした上で、練習内容や時間の調整を十分に行ってください。
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(林光俊)
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