足首・アキレス腱 Ankle / Achilles tendon

スピーディーな運動を生み出す一方、急な体重の負荷や外部からの衝撃を受けやすい足首。

足首は比較的小さな骨と太くて短いジン帯で全体重を支える仕組みになっています。
歩く、走る、跳ねるといった自由で軽快なフットワークを可能にしています。
また、アキレス腱は、腓腹筋とヒラメ筋を、かかとの骨につけている腱です。

Anatomy of Ankle Achilles tendon - 足首・アキレス腱の機能と解剖

足首・アキレス腱の機能と解剖 足首・アキレス腱の機能と解剖

Sports Injury of Ankle Achilles tendon - 足首・アキレス腱のスポーツ傷害

Q&A - 過去に寄せられたご質問への鉄人の回答

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足首・アキレス腱に関するQ&A

足の甲を痛めてしまいました・・・

サッカーの練習中に相手の足の踵を蹴ってしまい、足の甲を痛めてしまいました。2週間経っても痛みがひきません。アイシングはしています。
(16才、男性)

この情報だけでは、中々状況が分からないのですが、痛くても歩いたり練習に参加したりはできているのでしょうか?基本的に、立つ事ができるのであれば、大きな骨折や脱臼はないと判断されることが多いです。更に走ることもできるようであれば、小さな骨折の疑いもなくなっていきます。しかし、もしも立つだけでも痛みがあるようなら、是非一度、レントゲンやMRIなどの画像診断をしていただける病院に行って、整形外科で受診して下さい。
走ったり練習したりできているけど、残っている痛みが気になるのでしたら、腱や靭帯が傷んでいる可能性があります。足の甲のケガで治癒に時間がかかるのは、骨と骨の間にある神経に炎症が起きたときです。もしも神経が腫れていたりしたら、痛みが引くのに何ヶ月もかかることがあります。固定することはあまりお勧めしたくないのですが、それもドクターの判断に任せて下さい。


もしも、強い打撲だけということでしたら、地道にアイシングを続けていたら、少しずつですが必ず良くなっていくと思いますよ。骨の角が潰れるくらい強く打撲すると、それは圧縮骨折と分類され、完全に痛みが取れるまでにはかなりの時間がかかるのです。骨を修復するために必要と言われるカルシウムやマグネシウムなどを代表とするミネラルが十分に取れるようなバランスの良い食事をしながら、地道にアイシングをしてみて下さいね。

どうしても痛みに変化がない場合には、早目にドクターに相談して下さい。
(スポーツの鉄人;岩崎 由純)

トウシューズを履いた状態で左足の足首をひねってしまいました・・・

私は、プロのバレリーナを目指しています。 先日レッスン中、トウシューズを履いた状態で左足の足首をひねってしまい、スポーツ整形外科の先生に診察していただいたところ、足首の靭帯損傷と軟骨も損傷しているとのことで全治2・3ヶ月と診断されました。 今はまだ痛みもあり何もできない状態です。3ヶ月後に教室の発表会があり、‘くるみ割り人形’のグラン・パ・ド・ドゥを踊らせて頂くことになっています。
発表会でちゃんと踊れるように回復させることができますか?! 本当でしたらもうすでに踊りこんでいかなくてはいけない時期なのに、何もできないのでとても不安です。来年にはバレエ団のオーディションを受ける予定なので、この発表会は何としてもちゃんと踊りきりたいと思っています。発表会に向けて今からどのようなカリキュラムで体を動かせていったらいいのかもまったく分からず、不安でたまりません。
今からどのようなレッスンをしていったら一番よいのか、先生のアドバイスを頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
(20才、女性)

軟骨損傷を合併していると、捻挫のみより時間がかかりますね。発表会があるとのことですが、今後(プロを目指す)を考えるとしっかり治すべきです。 いまは我慢の時期です。


発表会までのトレーニングは、回復状況をドクターと必ず相談しながら行います。概容は、非荷重位(患部に体重をかけない、座位や寝た状態)から荷重位に進めていきます。早期からの荷重は厳禁です。
トレーニングの流れは「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(トレーナー編)を参考にしてください(もちろん、現在診てもらっているドクターとリハビリの先生の方針が優先ですよ)。
また、患部以外のトレーニング(非荷重位でのストレッチングや筋力トレーニング)は積極的に行ってください。
リハビリテーションの期間中はこのような不安がつきものです。こういうときこそ担当のドクターやリハビリの先生とのコミュニケーションが大切ですね。
お大事にしてください。
繰り返しになりますが、後遺症が残らないようにしっかり治してください。
(スポーツの鉄人;高橋 仁)

息子が部活のサッカーの練習中に右の足首の捻挫をしてしまいました・・・

息子が部活のサッカーの練習中に右の足首の捻挫をしてしまって、靱帯は切れていないのですが痛みが2週間ほど続いている状況です。病院にいってスポーツドクターに見てもらったところ、確か踵腓靱帯を捻挫していると言われました。
走ったりしてターンをするときに右足の拇指球に体重をかけるとネンザした部分にかなり強い痛みを感じるそうなのですが、これも捻挫の症状なのでしょうか?どうもこのことが心配です。
(41才、女性)

足関節捻挫をして2週間とのことですが、サッカーのトレーニングを休んで、患部を安静にするなどをしましたか?捻挫の程度にもよるのですが、ケガをした直後はできればすぐに病院に行き、医師の指示に従って、競技に復帰するようにしましょう。


メールから察するとおそらくそれほど重症ではないように思われます。ただし、走ったり、ターンをしたりしたときに痛みがあるとのことですが、これも捻挫の症状と考えられます。
まず医師にどこまで運動を行って良いか?を確認して、急激な切り返し(ターン)などは、ケガの状態が良くなってから行うようにします。
詳しくは、「鉄人」ホームページの「足関節捻挫」(トレーナー編)を参照してください。
そこに足首のリコンディショニングの一覧表がありますが、その最後から3番目に「方向転換」が入っています。ターンは最後の方にあるということは、負担がかかるものだということがわかります。
また、トレーニングを再開する場合にはテーピングやサポーターをして、足首に負担がかからないようにしましょう。
(スポーツの鉄人;中島 靖弘)

足関節内反捻挫の対処法

高校でラグビー部のマネジャー兼トレーナーとして活動しています。試合や練習で、足関節内反捻挫のケガ人が発生したときに、どのように対応すればよろしいですか。特に、RICE処置をするまでの対処法について教えてください。

足関節内反捻挫はスポーツの現場において発生頻度が高い外傷です。それゆえ、適切な処置方法を身につけておく必要があります。質問がRICE処置をするまでということなので、グラウンドレベルでの対処方法についてお答えします。
まずケガの程度を調べ、それに応じて処置していきます。評価はグラウンドとサイドラインの2ヵ所で行います。グラウンドでは、そのまま動かしてよいものかどうかの判断をします。骨折や脱臼などがあれば、むやみに動かさないで、固定して担架で運びます。サイドラインでは、病院へ運ぶかどうか、また、軽症ならば試合(練習)へ戻すかどうかを判断します。現場に医師がいる場合は、その指示に従います。


グラウンドでの対応

○選手の観察
ケガ人が発生したらトレーナーは、その選手のもとへ急行します。そのとき、走りながら選手をよく観察することが大切です。どの部分を手で押さえているかを観察することがポイントになります。人間は痛みのある部位に本能的に手がいくものです。ですから、手で押さえている部位イコール受傷部位であるといえます。
○問診
選手に「何が起きたか?」「どこが痛むか?」「音がしたか?」などを聞きます。音(バキッやボキッ)が聞こえていれば、骨折や靱帯損傷が考えられます。このように受傷状況を把握することは、診断の参考になります。
○視診
シューズを履いたままの状態で、脱臼や骨折による変形がないか、出血がないかを確認します。このとき、視診しやすいように、選手を長座位か仰向けで寝かせます。
○触診
同じくシューズを履いたままで、下腿の内外側や内顆、外顆周囲の靱帯や骨を触診します(写真1)。内反捻挫が疑われる場合は、外顆前方の前距腓〈ぜんきょひ〉靱帯、直下の踵腓〈しょうひ〉靱帯をシューズの上から押して、受傷靱帯を確認します。

○固定と搬送
触診などから骨折や脱臼が考えられる場合には、器具を使って固定し担架で搬送します。
○運び方
特に問題がない場合は、トレーナー2人で運び出します(写真2)。このとき、選手には受傷したほうの足に体重をかけないように(足をつかないように)指示します。ゆっくりと慌てずに、選手の動きに合わせてサイドラインへ戻ります。


サイドラインでの対応

○患部への詳しい評価
サイドラインへ運んだら、もう一度、問診、視診、触診を繰り返します。視診と触診は裸足にて行います。シューズとソックスを脱がすときには慎重に、1人が足部を固定して、1人が脱がしていくとよいでしょう。 視診では変形や腫脹〈しゅちょう〉(腫れ)の確認を行います。腫脹が認められる場合は靱帯が損傷していると予測できます。よって、ただちにRICE処置を行います。腫脹や疼痛〈とうつう〉が激しい場合は病院へ送ります。また、触診で圧痛を確認することも損傷靱帯を予測するのに有効です(写真3)。圧痛が確認できたら、その箇所を中心にRICE処置を行います。もちろん、試合(練習)の続行は不可能です。

○運動痛のチェック
腫脹も圧痛も認められない場合は、ジャンプやダッシュの基本動作や競技動作のチェックをして、痛み(運動痛)がなければ試合(練習)に戻します。このときテーピングやブレースをして、試合(練習)に戻すようにしましょう。

足関節捻挫後の痛みの原因と対処法

足首の外側の靱帯を損傷しました。6日後に手術を受けて今は走れるようになりましたが、いまだに足首に痛みがあります。この痛みが一生とれなかったらどうしようかと不安の毎日です。僕は高校3年生で、高校最後のインターハイの出場を狙っています。この状態ではインターハイ出場はとても厳しそうなので、痛みがひく方法を教えてください。

心配されているようですが、現在走れるのですから、痛みを一生引きずることはないでしょう。


痛みの原因と対処法

現在の痛みの原因を分析すると、
(1)ケガをした部位の痛み(手術した傷の痛み)
(2)関節の腫れによる痛み(関節炎の痛み)
(3)関節軟骨の損傷による痛み
(4)足関節が硬くなって、運動によって負担がかかることによる痛み
(5)周辺筋力の低下による痛み
などが考えられます。

このうち
(1)ケガをした部位の痛みは時間とともに徐々に回復していきます。
(2)関節の腫れは、運動負荷によって関節に負担がかかりすぎるためであり、少し運動量を減らすか、あるいは下肢のストレッチングを行うとよいでしょう。練習前後のストレッチングや、練習後の腫れや熱をとるアイシングは、必ず実行しましょう。
(3)内反捻挫では受傷時に足関節内側の関節軟骨を傷めることがしばしばあります。内側に痛みがある場合は特に練習後のアイシングを徹底してください。痛みがひかない場合は専門医を再度受診しましょう。
(4)と(5)はトレーニングによって十分に改善することができます。


トレーニングによる改善法

原因(4)(5)の、トレーニングによる改善法の具体例を示します。

・第1段階:受傷後すぐはケガをした関節のトレーニングは行いません。それ以外の関節の運動、例えば足趾の運動(タオルつかみ)、膝の屈伸運動を行い、患部の安静を保ちます。アイシングの実施を徹底させます。

・第2段階:痛みや腫れが少し治まったら(大体受傷後3週以内)、プール歩行、アキレス腱のストレッチング、エアロバイク、等尺性の足関節底背屈抵抗運動を行います。

・第3段階:片足立ちが可能になったら(大体受傷後3週以上)、足関節が硬い場合は、しゃがみ込みの姿勢をとって背屈を強制し、関節後面やアキレス腱を伸ばします。また、風呂の中で正座をして底屈を強制し、関節前面を伸ばします。筋力の回復トレーニングでは、足を前後・内外側の4面に見立て、各面を鍛えていきます。背屈によって、足の前面の前脛骨筋、長母趾伸筋腱が刺激を受けます。つま先立ちによって、足の後面にある下腿三頭筋(ふくらはぎ)、アキレス腱が鍛えられます。内反動作によって、足の内側の後脛骨筋が鍛えられます。外反動作によって、足の外側にある腓骨筋が鍛えられます。外側靱帯を傷めた場合は特に、外側靱帯の機能を補うために、腓骨筋を強化することが重要です。第4段階では、軽いランニングを開始します。チューブを使った足関節内・外反の抵抗運動も行います。

・第4段階:最後は階段ダッシュ、サイドステップを行います。これらが可能になったら、両足踏み切りジャンプ、ダッシュをまぜていきます。


関節の負担を軽減する

痛みを誘発しないようにするには、関節の負担を軽くすることです。つまり適切なトレーニングによって足関節周辺部を強化する、アイシングを徹底して行う、足関節のテーピングや装具(下の写真を参照)などによって外側の支持を補強する、といったことで痛みを出にくくします。まず日々のケアが大切、無理なく復活できるようにしましょう。

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